麻雀は社会に役立つコミュニケーションの場 『東大で教えた社会人学』

麻雀について面白く書いた本があります。『東大で教えた社会人学』(草間俊介+畑村洋太郎著)一昔前に出版されました。


表題の堅苦しさとは裏腹に、親しみやすく、おもしろい本です。


『我々の学生時代、理科系の学生が実験に明け暮れ必死になって勉強しているときに文科系の学生の多くは麻雀屋に通っていた。


当時は、「遊んでばかりでろくなものじゃない」と横目で見ていたが、あんなタバコの煙が充満した不健康な部屋で麻雀牌をかき混ぜていた連中がそれぞれの世界で偉くなっている姿を見るにつけて、「もしかして、アイツらは、麻雀をやりながら人をたぶらかす秘訣や、勝負度胸を養っていたのかな」と思うのである』


やたら真面目で難しそうな東大生の授業しか想像していませんでしたから拍子抜けしてしまいました。楽しそうで、分かりやすい講義もあるのか、と羨ましくなったものです。


結婚についても面白く語ります。

『妻をめとらば才長けて、みめうるわしく情けある…と謳った様な女性は自分にはやってこないと思った方が賢い。

結婚の選択権は女性が握っている。自分が選んでいるつもりでも、実はしっかり相手に誘導されているのだ』

と教えています。


今読んでもニヤリと笑わせます。東大で教える先生でさえ、奥様には頭が上がらないのか

と嬉しくなります。


当時、夫は単身赴任中でしたので、ときどき衣替えと家事手伝いに赴任先へ出掛けます。

JRの車中で、乗り合わせた大学生2人と話をする機会がありました。

謙虚に「勉強もしない麻雀仲間です」と言います。

「麻雀を侮ってはいけない。麻雀は社会に出たときの人間関係づくりを学ぶ大事なコミュニケーションの場だから、大いにおやりなさい」

などと本の受け売りを鼻高々と話した馬鹿な私を恥ずかしく思い出します。

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