Nameloss・M【ハンドアウト&ハウスルール】

シナリオ Nameloss・M 


【ハンドアウト集&ハウスルール&シナリオ解説】


【PC①♂(?)】


 君は裏の運び屋をしている。それは大昔からかもしれないし、極々最近からの事かもしれない。ただ一つだけ言えるのは君が恐ろしく戦略と戦術に精通した古強者で年齢不詳だと言う事だ。君はPC②をひょんな事から預かる事になってしまう。君にとって彼女は【幼子(関係)】であり、所有者でもある。君達がこれからどんな関係になるのかは君達次第だ。君が乗り込むことになる機体は暗黒期以前の遺産であり、破滅の使者にもなれば、救世の使徒にもなるだろう。どちらになるとしても、いつの間にか君の双肩には世界の未来が託されてしまっているようだ。


*ハウスルール


PC①固有特技【破滅と救世】


 君の機体は特別であり、君もまた特別な生い立ちを持っている。君がもしも加護をそのシーン中に消費していないならば、1シーンに一度だけ各エネミー特技 《プロテクション 50》及び《特殊武装(遠隔)50:闇》及び《瞬発行動2》を行使出来る。しかし、これを行使した場合、君はその特技使用後に必ず侵蝕を受ける(特技一つに付き一度の侵蝕)。侵蝕を立て続けに受けた場合、侵蝕レベルは加算される。セッション中PC①の侵蝕を受けた回数が6回を超えた時、機体に取り込まれた君は強制的に【☆BOSS属性】持ちのエネミーと化す。


【PC②♀(17)】


 君はラーフ帝国において試作された【実験体(特技)=原罪無きもの(出自)】だった。今は元いたラーフの部隊から運び屋であるPC①にALの代金代わりに支払われた身だ。過去に多少の瑕疵はあるとしても、君は一応の自由を得た。PC①は君にとって学校へ通う事を勧めた【保護者(関係)】であり、兵器としては所有者に当る。君達がこれからどんな関係になるのかは君達次第だ。君はまだ自分の機体を持っていないが、戦いに身を投じる事も出来る。君の機体がどう登場するかはGMと相談せよ。それは君が密かに手に入れたものかもしれないし、ラーフから勝手に持ち出して保存していたものかもしれない。一つだけ確かなのは君の戦う理由は常に君の所有者に委ねられてきたという事だ。君は過去戦う為の機械として生まれてきて、今は台所で悪戦苦闘している。


*ハウスルール


PC②固有特技【日常の力】


 君は生い立ちこそ特別かもしれないが、誰もが持っている思いやりというものを忘れていない。君がもしもセッション中にPC①に対し料理を作るRPをするなら、1シーンに一度同じスクエアかシーンにいる時、2D+6点分のHPと侵蝕状態を回復させる事が出来る。またBOSS化したPC①の機体に対し、加護を二つ消費する事でPC①を機体から分離する事が出来る。


【PC③♂(16)】


 君はサナート・レムリアに【忠誠(関係)】を誓う騎士であり、今はイヅモに潜入した黒影騎士団の若手ホープだ。君の任務は世界を破滅させるかもしれないPC①が乗る機体の監視と危険だと判断した場合の破壊である。その為、学園に転校生を装いやってきて、PC①を監視しなければならない。君の機体は黒影騎士団が女王から預かった【神皇】あるいはそれが変質した特別なもので、不用意に使う事は許されない。だが、奈落の脅威を放っておく事は女王陛下の意にも反するものであり、無辜の民を救う為、君は謎のガーディアンとして戦う事を余儀無くされる。君がどうやって戦闘に参加するかはGMと相談せよ。君は決して奈落に屈せず、民を見捨てない男だが、同時に実はイヅモの常識がまるで分からない頓珍漢な魔法至上主義者でもある。『何?! 魔法で全てを解決してはいけないのか?』とは君の言葉だ。


*ハウスルール


PC③固有特技【真なる魔導】


 君は任務の性質上、PC①の機体が危険だと判断した場合、それを強制的に停止する魔法を使う事が出来る。セッション中一度だけPC①の侵蝕状態を回復し、侵蝕回数を1減らせる。また、加護を一つ消費する事で1シーンだけ失われた機体をPCに与える事が出来る(PC①の場合はエネミー特技を使えない)。


【PC④♂(39)】


 君はヴェッセーラ重工取締役の一人に名を連ねる重役だ。巨大な権力を手にしている君は昔から容姿端麗にして鋼の意思を持って企業の為に、本当の意味での企業戦士と賞賛されている。1代で成した莫大な財力と権力によって、今や君の前に障害となるべきものは殆どない。しかし、君の積み上げてきた世界を今、暗黒が蓋いつつある。それを払い、人々に安寧と平和を齎すのが君の【贖罪(経験)】だ。鳳市で起きる事件の火中に恐るべき機体が甦った事を知った君はその操縦者であるPC①を監視するべく、単独で高校に潜入を果たした。日常では容姿端麗過ぎる用務員として、非常時は悪に苦戦するリンケージ達を救う謎のガーディアン乗りとして、戦うことになるだろう。一つ君に欠点があるとすれば、それは仮面を付けて勇者を自称するところくらいだ。君が鳳市に来てから新聞には毎日のように『違法ガーディアンに乗る自称勇者また現る』の文字が載っている。


*ハウスルール


PC④固有特技【勇者の魂】


 君の語る勇気は全ての者を奮い立たせる魔法の言葉RPだ。不退転の決意と弱き者を守り抜く意思が合致した時、君のガーディアンは加護よりも奇跡的な力を発揮する。セッション中、各PCの受ける侵蝕を一度だけ無効にする(機体毎に一度。またPC①の侵蝕回数はカウントされる)。また加護を二つ消費する事で【☆BOSS属性】エネミーのFPが半分以下の時、特攻して自分の機体を道連れに消滅させる事が出来る(PCは脱出扱い)。


~ハンドアウトとPC固有特技、シナリオの特徴~


 シナリオ上のラスボスとは別に裏ボス的なPCが存在し、エネミー特技を使う事が出来る。また、侵蝕回数によってボス化し、それを止めるor軽減するハウスルール上のPC固有特技が各自に与えられている。ボス化したPCに対する救済措置を各PCの加護を消費する事で使用可能。中盤以降の戦闘において侵蝕を与えるエネミーを複数配置する事でPC①のボス化を促す。ハウスルールは開示しておき、PC固有特技で加護を抑制する事で難易度を自分達で決められる。通常ボスルートのエンディングを目指すなら、加護は多用して構わず。裏ボスルートを選ぶなら、加護が容易に消費出来ない為、通常よりも厳しいプレイングが求められる。クライマックスシーンの通常ボス戦闘中にPC①が裏ボス化した場合、通常ボスとエネミーは退場させる。またクライマックスシーンより先にPCがボス化して倒した場合、PC③の固有特技によってラストバトルもPC①やPC④、機体の爆散したPCが戦闘に参加出来るようにする。裏ボスのデータは基本的にPC①固有特技のエネミー特技の数値に準拠し、それに幾つかの特技を加えて構成する。防御力を高めに設定してHPを低くすると良い。このシナリオは不足の事態を想定し、加護を通常よりも慎重に切る必要がある為、中上級者向けである。


~おまけ~


 本シナリオの題名は「名を失った者」あるいは「名を失った奇蹟」という意味がある。

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