19区 桂水高校女子駅伝部 初陣!
ユニホーム騒ぎから一週間後の土曜日。
私達駅伝部は県の中心部にある陸上競技場に来ていた。
今日から3日間の日程で県高校総体が行われるのだ。
桂水高校駅伝部にとって初の公式戦だ。
ただ、今回出場するのは葵先輩と久美子先輩のみ。
私達1年はまだまだ練習不足ということで永野先生がエントリーをしなかったのだ。
「まぁ、うちは駅伝部だからな。本番は11月の県駅伝だ。。現在部員は5人。駅伝も5区間。つまり今年は補欠がいないからな。お前らが無理をして故障されても困るんだ」
私達も試合に出たいですと訴えた時、そう言って永野先生に諭されてしまった。
ちなみに今回は葵先輩が3000m、久美子先輩が800mに出場する。2人とも試合は初日に行われるので今回は宿を取らず、部員全員が永野先生の車で日帰りだ。
先生曰く、久美子先輩が決勝まで残ったら、明日もう一度、往復するそうだ。
「天地がひっくり返ってもそれはない」
当の久美子先輩はしきりにそう訴えていた。
それと永野先生の愛車は青のラポンなのだが、それだと駅伝部計7人を乗せることが出来ないのため、実家から親のエステュマを借りて来たらしい。その時初めて、先生が今は1人暮らしをしていることを知った。
「なにこれ? 陸上競技場ってこんなに大きいの!」
「そっかぁ~。あさちゃんは初めてかぁ」
口をあんぐりと開けて驚く麻子を見て陸上経験者の紗耶はニコニコしていた。
「あたし、中学の時はバスケ部だったから仕方ないじゃない。それを言うなら晴美だってそうでしょ?」
「残念。私は聖香の応援で何度か来たことがあるかな」
麻子の自信に満ちた一言に晴美は苦笑いをする。自分だけが初めて来たことに気付いた麻子は「あなた達。初々しさを忘れてるわよ」と思いっきり負け惜しみを口走っていた。
まぁ、私も中学生の時初めてこの競技場に来て、今の麻子と同じようなセリフを言ったことがあるのだが、それは黙っておこう。
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