第33話 ギルドマスター
「トワさん受付までお越しください」
受付嬢がトワの事を呼ぶので受付に向かう。
「トワさんですね、お会いしたい方がいらっしゃるのですが、お時間を頂きたいのですがよろしいですか?」
自分に会いたい人物が思い当たらない、急いでいないから時間があると了承すると受付嬢が席を外すと他の職員に声を掛ける。
「どうぞこちらへ」
受付嬢の後に付いていくと受付の奥にある階段を登り三階まで来ると立派な扉の前に着き受付嬢がノックする。
「マスター、トワさんをお連れしました」
「入れ」
男の声が聞こえて受付嬢は扉を開くと机で書類を見ていた男が座っていた、ギルドマスターと思われる人物を自分は知っていた。
「何でここにいらっしゃるのですか?」
「そりゃワシがギルドマスターだからだな」
「そういう事ではなく、何故先王ロック様がギルドマスターをしているのかです」
「お主はワシの二つ名を知っているか?」
「いえ」
「ふふふ、冒険王ロックと呼ばれて、ダンジョン攻略のトップランカーでな、息子に早々に王位をやってギルドマスターになったのだよ」
聞くと先王の任期はアーイル王国でも、かなり短い期間しか王位に就かなかったと。
「ミリア、すまんが客人に茶とワシに酒を持ってきてくれ」
受付嬢の名はミリアと言うらしい。
「マスター、仕事中の飲酒は禁止ですので、マスターもお茶ですから」
と言ってお辞儀をして部屋から出ていった。
ロックに座るように勧められ対面して座る。
「それでご用件は?」
「あ~、まず堅苦しい喋り方せずとも構わん、ただの爺と喋る感じで構わんよ」
「そうかい、それは助かる」
「ふむ、聞くところによるとお主、残花に挑戦しようとしておるな?」
「誰から聞いたのです?」
「息子から地図を貰っただろう、その際に残花の事を尋ねたろう」
「確かに聞きました」
「残花に挑戦するのは構わんがあそこはランク制限しておるからな、ちなみに冒険者ギルドのランクは知っとるか?」
「いえ、今日始めて登録したので分かりません」
「よかろう説明しよう冒険者ギルドではしたから、ペイナイト*アレキサンドライト*タンザナイト*ベニトアイト*ポードレッタイト*グランディディエライト*レッド・ダイヤモンド*マスグラバイト*エレーメージェバイト*レッド・ベリルのランクになっており残花に挑戦するのならばレッド・ダイヤモンドのランク以上じゃな」
残花の祠は7ランク以上じゃなれば入れないのか、しかし地道にランク上げをしなければいけないのか。
ちなみにギルドマスターのロックのランクはエレーメージェバイト、つまりランク9だ、ギルドマスターでランク9なのは最上位のレッド・ベリルは英雄や勇者の為のランクで、全ギルドでランク10の人物は世界に5人だけしかいないと説明を受ける。
「話が逸れたな、本題じゃがワシの頼みを聞いてくれれば特例として低ランクでの残花の祠に入れるようにしてもよいが」
「頼みですか?」
「ああ、主の力が聞いた通りの力量なら問題ない簡単仕事じゃよ」
「内容は?」
扉を叩く音がする、ロックが返事をするとミリアがお茶を持ってきたようでテーブルにソーサーとカップを置くとまたお辞儀をして退出する。
ロックがお茶を一口飲む、こちらも勧められたので飲むとハーブティの爽やかな味わいが口に広がった。
「あ、美味しいな」
「うむ、うまいがやはり酒が数滴でもほしいのう」
やはりロックは酒を常用しているらしい。
お茶で一息ついて向き直る。
「魔族の都のヒビクに行って帰ってくるだけだ」
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