第297話 仲間との再会

「勇者殿~!」

「来たか。」

あれから数日、街に滞在して三人の到着を待っていたが、ついに合流する事が出来た。


「なんだか随分と久しぶりな気がするわ~。」

「ずっと一緒からな。実際は十日ちょいでもそう感じるんだろ。」

それにしても、さっきからサーシャがやたらくっついてくるんだが……

しがみつきながら手を握られてるから、身動きが取りにくい。


「どうしたんだ。」

「ジュワァの匂いは安心するである。ん~♪」

「……本当にどうしたんだ?」

スターナと脳筋を見てみると、生暖かい目で見守られてる。何かあったんだろうか?

まぁ立ち話も何だと思い、宿に戻って、それぞれ起きた事などを報告し合う事にした。





「そっちにエーディが現れたのか?」

「はい。スターナさんの転移魔法を封じられて、少し危なかったですが。」

脳筋達がエツに行ったところ、住人には特に問題なかったらしい。

だが、サーシャの祖父であるガーゴイルが復活して、攻撃してきた。

さらにそれを行っていたのが、エーディのヤツで、どうにかギリギリ倒せた。

という事らしい。

サーシャのこの甘えっぷりは祖父に会えた嬉しさと、また離れ離れになった

寂しさからっていう感じか。


「事情は分かったが、少し離れないか?さすがに暑い。」

「や~♪」

「尋常じゃない程べったりね。今日一日くらいは我慢してあげなさいな。」

とは言われても、ベッドに座った状態で抱き着かれっぱなしだと疲れる……


「羨ましい……」

「次はワタシね~。」

「却下だ。」


次はスターナ達にこちらの出来事を説明していく。

「国王が黒幕の一味だなんてね。」

「しかもレリア殿もそれに加担していたとなると……」

脳筋も察しが付いたようだ。渋い顔をしている。

仮にもヴァファール王国で騎士をやっていた訳だし、心の中では葛藤が

あるんだろうな。が、事実は事実でしょうがない。


「これからの方針だが、ヴァファール王国に行こうと思ってる。アイツらが

魔王を殺すために復活させるだのと言ってたが、本当にそうなのか知らんし、

このままにしておくつもりもないしな。」

「そうね~、アリアちゃんにはちょっと辛いかもしれないけれど。」

「いえ、私は今でもあの国の騎士です。であればこそ、行かなければ。」

この日はもう一泊して、明日に出発する事になった。


「……という訳で。」

「ジュワァ。」

「髪を梳いてください!」

それも久しぶりだな。フィルとリュリュしかいなかったから、そんなの

やってなかったしな。

というか、今日もフィルは体調が悪いままなのか?あまり喋ってもいなかった

みたいだし。後で様子を見にでも行ってやるか。


「……」

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