第250話 精霊王との闘い その二

「詐欺師達は?」

「お母上に任せてきました。」

まぁこれで、心配事が減ったな。そんな俺達に向こうでも話してる声が聞こえた。


《おい、アイツらの持ってる武器って!?》

《うむ、神鉱石でできている。何せ我が鍛えたからな。》

《だ~、何やってんだよ!魔法が弾かれちまうじゃねぇか!》

魔法を弾く?そういえば、フィルがさっき火球を切り裂いてたな。


「フィル、さっきのはどうやった?」

「どうもこうも、普通に叩き切っただけだよ。リュリュのお袋さんに聞いたんだ。

魔法を通しにくいんだって。」

それは好都合だ。普通の武器じゃ太刀打ちできなさそうだしな。


《どうすんだよ!?》

《そういうのは他の場所で喋んなきゃ、ダメじゃね?聞かれてるっぽいし。》

《あ。》

《それにまぁ、威力を上げればいいだけの事。でなければ加工などできんわ。》

確かにそうだ。案外イフリートとシルフが冷静なのに驚いた。

それに反してウンディーネが動く様子がないな。


「ウンディーネ様は、アデントの、守りに入ってるわ……」

「大丈夫か?」

息を切らしながらスターナが言う。

「えぇ、ちょっと不意を突かれただけ……どうやら、アデントの周りに、薄い水の

膜を巡らせて、相手を探知してるみたい……」

スターナの転移魔法で近寄れなかったのは、そのせいか。


「もう、こうなったら正面突破しかないか。」

逃げるという選択肢はない。外に出ると被害が大きくなるし――いや、この街の

ヤツらなら構わないかという思いもあるが……

だが、それ以外にも五人がやられた分を返してやらんと気が済まん。


「全員行くぞ。アデントさえ倒せればどうとでもなる。」

「はい!」

「わかったわ~。」

「アイツはボッコボコにしなきゃいけないからね。」

俺は走り出し、呪文を詠唱する。


「土よ。原初たる恵みの息吹よ。罰を犯す者に今一度、安らかな時間を与えるため

その胸に抱きたまえ……ロックプレス!」


岩の波がシルフを襲うが、

《させん!》

イフリートの火炎で岩が溶ける。


《お返し!》

溶けた溶岩を、シルフが風でこちらに飛ばしてくる。これは魔法じゃないから

切り裂く事はできても、付着しただけで大ダメージになるので、全員が

走り回ったり、転移魔法で回避行動に移るが、そこにノームの魔法。

《逃げてんじゃねえよ!》

岩を壁のように建て、こちらの逃げ道を塞いでくる。


武器で切り裂くのは可能とはいえ、少しだけ足を止められるたび、溶岩が

迫ってくる。

「よい……しょっと!」

スターナが転移魔法を使い、脳筋やフィルを上手く壁の向こうに転移させ、

障害物代わりにして攻撃を防ぐ。


《え、え~い!》

俺達が不用意にアデントに寄らなくなったのを見て、ウンディーネも攻撃を

仕掛けてくるようになった。

水が、溶岩と混じり合い、熱気を纏った水蒸気が辺りに充満する。


「あっつ!熱いです!」

「ボク、全身鎧なんだけどぉ!」

「水よ。深き生命の源よ。我が前に立ちふさがりし愚かな魂を貫き滅ぼしたまえ……

アイススピアー!」

騒ぐフィルと脳筋の近くに氷柱を立て、衝撃で水蒸気を飛ばしつつ、冷気で

冷やす。


ステータス自体はブランジオとかの方が高かったが、連携が取れる分、こっちの

方が厄介だ。どうするか……?

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