第187話 アリア覚醒?

《貴様は引っ込んでろ!》

ドラゴンがさっきと同じように、尻尾で薙ぎ払いをかけてくる。

「アリア、下がれ!」

俺は咄嗟とっさに前に出て、剣で押し留めようとしたが、アリアはジャンプして

攻撃を避けた。


「何!?」

「ん~……アナタは強いのに……」

落ち際に尻尾を斬りつける。大したダメージになっている訳ではないが、

それでもHPを減らしていく。


「動きが単調すぎて……」

《何をゴチャゴチャと!》

ドラゴンが腕を振り下ろすが、バックステップで避ける。

腕は地面に当たり、岩が砕けて、溶岩が飛び散るが、それも計算に入れた状態で

距離を取っていたのか、アリアを傷付ける事はなかった。


「何するのかバレバレですよぉ?」

《ギャアアアアア!》

今度は飛散した物の隙間を抜けて、距離を縮めると剣を突き立てた。

……爪と指の間に。



「強いな……」

いつも見ていたので分かるが、アイツの実力は相当な物だ。

俺はドラゴンのステータスを奪ったから、強くなっているが、もしも

同じステータスなら、一生勝てない相手だったかもしれない。

「それに……」


アリア・ラスティア Lv99

HP:5795  MP:5311  ATK:401  DEF:369

INT:265  MGR:257  DEX:442  LUC:301

スキル

【剣の心得】【槍の心得】【ATKアップ】【DEFアップ】【気合】

【限界突破】【混乱】


これは一体どういう事だ?状態異常にかかると、ステータスが上がるのか?

いや、アッセムドゥのところでは、そうはならなかったはず。

まったく状況が読めない。そのせいで俺は、ほんの少し呆けて考え事をしていた。


「こっちですよぉ~、どうしたんですかぁ~?」

《ふざけおって!殺してくれる!》

ドラゴンは完全にアリアのペースに巻き込まれてる。あれだけ、ステータスの差が

あるのに、的確に弱いところを付いてるせいか、地味にHPが減っていく。

だが、

「あっと……」

《死ねぇぇぇぇぇぇ!》

アリアも攻撃をすべて避け切るのは無理らしく、ドラゴンの腕が当たりそう

だったので、抱きかかえて後ろへ跳んだ。


「大丈夫か?」

「勇者殿ぉ……ん~ふふっ、だ~い丈夫ですよぉ?」

他の四人の方にも目をやるが、あっちは混乱しているとはいえ、泣いたり

うずくまったりと、無駄に動く事はしていない。


「向こうも助けに行かないとな。」

《ハァハァ……し、死なぬ!我がこんなところで!》

強がりとでもいえばいいのか、自分に言い聞かせるような言葉を吐き出しているが、

関係ない。


「まだ、やれるか?」

「はい。」

「なら二人で一斉にかかるぞ。」

「二人のぉ、共同作業ですねぇ~。」

「お前な……」

状態異常にかかってはいるが、今のアリアほど頼りになりそうなヤツはそういない。

力を借りて、さっさと終わらせてしまおう。

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