第178話 ようこそ、ドワーフ達の町へ

ダウロから四日後、

「ここが、ボクが住んでる町だよ。」

そこには、ドワーフ達や商品を買いに来た人が大量にいた。


「すっごい人だかりね~。」

「ここは、ガングルフ王国の中でも一番、鍛冶屋や細工師が多い町なんだ。」

そこら中に武器、防具、小物といろいろな物が売っている。


「うわ!うわ!凄いですよ、この武器!」

脳筋が興味を持ったらしく、商品を振らせてもらっているが、

「軽いし、切れ味も鋭いし、初めてなのに手に馴染む!?」

「そりゃ、オイラが打ったんだからよ。当然だわな。」

剣を作ったドワーフが自慢気に胸を張る。


「ここで売ってるのは魔鉱石を使ってるのか?」

「使ってるヤツもあるし、ないヤツもって感じだ。」

「イオネ王国で魔鉱石の採掘場が近くにある町で売ってるのと違いはあるのか?」

「いんや、商人がこっちで買った物を売ってるだけだぜ。」

話に聞くと、どうやら有名な鉱山で採れた物を売ってるっていう、

ネームバリューを利用してるらしい。

大陸一の採掘場らしいし、利用しないと損なんだろう。


「でも、金貨が400枚必要……えげつない高さね。」

「ちゃんとした品には、ちゃんとした値段を。当たりめぇだろ?」

その通りだな。


「細工物でも15金貨とかするである。」

「そう簡単に買える物じゃないんですね……」

脳筋が落ち込む、だが周りは賑やかで、売れてない事は無いように見えるが。


「魔鉱石使ったヤツ以外なら、手ごろな価格のもんだってあるぜ。

ここら辺は金持ってるヤツしか寄らねぇよ。」

どうやら、価格ごとに売ってる場所を決めているらしい。


「入り口付近に高いのを置くのは、逆効果じゃないのか?」

「そうでもねぇよ。高いの見てから低いのを見ると、これくらいならって

思っちまうし、こんな質の良い物を作れるって腕を見てもらえる。

何より、命をかける武器や防具の値段を見ただけで、腰が引けるなら

最初から買いに来ねぇ方がいいからよ。」

思ったよりも考えられてるんだな。俺はどちらかというと、ドワーフは

短気で酒を飲み、豪快に振る舞うイメージがあったんだが。


「じゃあ、そろそろウチに行こうか。」

「そうだな。」

フィルに促され、脳筋は剣を名残惜しそうに元の場所において、全員で歩きだす。


「それにしても、酒屋が多いな。」

町を歩くと、ドワーフ達が作った商品を売ってる店以外に樽酒を大量に置いてる

店が目に付く。

「ドワーフは酒好きだしね。産まれた時から飲んでるよ。」

「産まれた時から?」

「そ。生後一日目で、女神の祝福を受けた御神酒を飲ませて、将来の幸福を

願うっていうのがあるんだ。」

元の世界だったら、間違いなくニュースで事件扱いされるな。



フィルの家および工房は町の一番奥にあった。

「ここだよ。おーい、兄貴ー!」

大声で兄を呼ぶフィル。すると、兄とやらが工房から顔をだした。


「そんなに大声出さなくったって聞こえてるよ……ったく、ん?

あ、アンタ!?」

「お前は確か……」

レフィカが開いた武闘大会で、助けられたって礼を言われたヤツだったか。


「すると、ここの町は。」

「よく来てくれたな、ピッガへようこそだ!」

なるほど、コイツもドワーフだったな。

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