第102話 異常発生

その後、もう一度町を見てるも特に変わった事もなく夜を迎えた。

部屋は二階に俺とサーシャ、脳筋と詐欺師という組み合わせで二部屋取った。


詐欺師は最初、

「ひ、一人一部屋でいいんじゃない?」

とか言ってたが、体のサイズ的に無駄が多いし、二人部屋でも贅沢なんだから

ワガママ言うな。と説得したら渋々従った。

詐欺師のトラウマもどうにかしないとな。


そうして今、俺とサーシャだけになっているが、サーシャは相変わらず

俺に引っ付いたままだ。

「チュグニャ、トイレ。」

「さすがに一人で行ってこい。」

「む~……」

仕方なくといった感じで、サーシャは部屋を出て行った。


しばらくするとドアが開いたので、戻ってきたものと思ったが、

「どうした脳筋?」

「……」

薄着の脳筋がこちらに歩いてきながら服を脱いでいく。


「おい。」

「ゆ・う・しゃ・ど・の♪」

下着に手をかけ外した瞬間、胸が露あらわになったので目を逸らす。

と、同時にベッドに押し倒してきた。


「何のつもりだ?」

俺の目の前に脳筋の右手が突き出されている。

握っているのは……包丁だ。


なんだいきなり?意味がわからん。

顔以外を見ないようにしながら、刺してこようとする手を押さえているが、

どんどん力を込めてきている。


「ばれちゃいましたねぇ。」

「何してるんだお前は。その包丁はどこから持ってきた?」

「え~どうだっていいじゃないですかぁ。」

この喋り方、嫌な感じ。デジャヴだ。ステータスを確認すると、


【マリオネット】

肉体が操られている状態です。

操っている人物が止めるか、死ぬまで効果は持続します。


お前はなんでこうも操られやすいんだよ……

このステータス異常はエジオで竜にかけられてたものか。

もしかしてサベルのヤツがここにいるのか?


「も~離してくださいよ。」

「断る。水よ。深き生命の源よ。苦しみもがき、救いを求める者に

全ての罰から解き放つ力を……フルリカバリー!」

同じ状態異常なら対処法も同じだろ。


もう一度ステータス画面を見てみるが、

【マリオネット】

おかしい、消えてないだと?

もう一度唱えるが結果は同じだった。


「水よ。深き生命の源よ。幾たびも立ち上がる者たちに

束の間の安らぎを……スリープミスト!」

「う……」

解けないなら動けないようにするしかないか。前に暴走した時もこうすりゃ

良かった。


眠った脳筋をベッドに寝かせて、部屋の外に出て様子を見ることにしようと思い、

ドアを開けると詐欺師と鉢合わせして、

「詐欺師か。」

「大丈夫、デュカァ!?」

慌てた様子でこちらの心配をしてきた。


「何があった?」

「わっかんないわよ!!いきなりアリアが私を斬ろうとしてきたから

今まで外に逃げてたのよ!!」

「そうか。」

脳筋はどうやって操られたんだ?原因さえ何とかできたら、なんとかなるはずだ。


「お前は脳筋と一緒にいてやってくれ。今は俺たちの部屋で寝かせてる。」

「わかったわ。アンタはどうするの?」

「サーシャが心配だから迎えに行く。」

「そう。」

俺はトイレに足を向ける。


「気を付けてね……」

「そっちもな。」

「えぇ……」


チリィン。


この音は!?


ドオオォォォン!!


「やったかしら?」

「間一髪ってやつだ。」

宿の廊下が酷い有様だ。後ろから衝撃が来ると思った瞬間に床をぶち抜いた。

今は詐欺師が俺を見下ろす形になる。


「ちぇ、残念。」

詐欺師のステータスを開いて、同様に操られている事を確認した時、

「今の音はなんであるか!?」

俺がいる一階の端にあるドアが開き、サーシャが出てきた。

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