第91話 参加決定

「トゥカ、起きるである。」

「う……ああ、朝か。」

眠っていたところをサーシャに起こされた。

気が付いたら夜が明けていた。


「おはよう。」

「おはようございます、勇者殿!」

朝一番のデカイ声はいつになったら直してくれるのだろうか?

俺もベッドから出て、魔法で桶に水をいれてもらう。

そして顔を洗い、外に出る準備を済ませる。


「今日は武闘大会に出場するんだから気合入れなさいよ?」

「俺が負けると思うか?」

「……勝つ相手を探す方が無理ね。」

少なくともドラゴンより強い相手を探さないと無理だな。


とりあえずは朝飯でも食べようということになったので、

俺達は昨日の食堂に向かう事にした。

「いらっしゃ――あ!」

「席は空いてるか?」

「ええ、もちろん!」

店主に案内されて店の窓際の席に座る事ができた。


「何食べよっか?」

「朝から昨日の量は勘弁だな。」

「そうであるな。」

店主にお勧めメニューを聞きつつ、料理を注文する。


「テュガ、武闘大会だけど。」

「どうかしたか?」

「あんまり怪我人を出さないようにね。ただでさえアンタは馬鹿みたいな

強さなんだから。」

馬鹿みたいは余計だ。


「俺の相手の心配をするんだったら三人も出たらどうだ?」

「「「へ?」」」

朝食を食いながら武闘大会について話を進めた。



朝食を食べ終わった後は町の散策や手紙を出して時間を潰していた。

特に何がある訳でもなく、時間が経ったので俺達は昼前の受付に向かう。

「こちら受付になりま~す!」

「参加者の方は登録を済ませてください!」


見る限り受付の周りには100人近くいそうだ。

「凄い人だかりですね。」

「優勝した人の願いを叶えてくれるってんだからしょうがないわよね。」

「俺達もさっさと済ませるか。」

そう言って受付をしている場所に近付く。


「選手登録を頼みたい。」

「では、登録する方の名前を言ってください。」

「次哉。」

「アリア・ラスティアです。」

「リュリュよ。」

「サーシャである。」

全員、名乗り終わった後に変な顔をされた。


「え?……四名とも参加されるんですか?」

「問題あるか?」

「いえ、規定は特にありませんが……でもお子様や妖精のような小さい方まで

出られるとは。言っておきますが荒くれ者が多いので酷い怪我をする場合も

ありますよ?」

「大丈夫だ。」

受付の担当は何か不満げな顔をしながらも名簿に名前を記載する。


「では時間まで会場の裏にいてください。そして名前を呼ばれたら会場に

上がり、一対一で試合開始となります。」

「これだけの人数を戦わせて一日で決着が付くのか?」

「ルール等については後で説明があります。」

ということで、俺達は四人で試合会場の裏に待機するため移動した。



「あのチビどもなんだ?」「一撃で殺せそうだな!」「違えねぇ!ガハハ!」

会場の裏では図体だけは一人前の雑魚が喚いていた。

「ここで決着付けるか?」

「落ち着くである。ここで暴れて、試合前から失格になったら意味ないである。」

「そうですよ。こういう時こそ冷静になるものです。」


しかし、イラつくものはしょうがない。

試合するのが待ち遠しいな。そうしたら合法的に殴れるのに。

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