第69話 面倒くさい街

扉をくぐってイオネ王国側に入り、街を見るとそこは、

「何だこれは?」

「目、目のやり場に困りますね……」

「サーシャ、あんまり周りを見ちゃダメよ?」

「何でであるか?」

やたら露出した男や女がいるという光景だった。


門のところにいた兵士に話を聞く。

「イオネ側はインキュバスやサキュバスが多く住んでますからね。

必然的にこういう格好する人や店が多いんですよ。」

なんで、国境の街にそんなのばかり住まわしてるんだよ……


とりあえずこの街で情報収集しないとな。

そう思って、歩いてるヤツらに声を掛ける。と、

「あら、いきなり?いいわよ。」だの

「そこの子達、可愛いね。どう今夜?」だの、むしろ向こうから

「坊や、タイプだわ。他のは放っておいてアタシといい事しない?」だのと

ピンク色の回答しか返ってこなかった。


「……まともに話せるヤツはいないのか。」

「ナンパ……23回目です……」

「精神的に疲れるわ……」

「我が輩は声掛けられなかったであるが?」

さすがにサーシャに近寄ろうとした時は俺が殺気で追い払った。


「裸に近くない格好をした、話せるヤツはいないのか?」

「いたけど、知らなかったもんね。」

大体はこの街の店目当てだったんだろう。

外の事について詳しいヤツはいなかった。


「どうする?このまま外に出て街道沿いに歩いてもいいが、次の村や町が

いつあるか分からんと食料にも困るし。」

門のところに戻って話を聞こうにも、昨日の今日で忙しそうだったしな。


「そうですね~……こういうところでも、普通のお店はあるんじゃない

でしょうか?そこに入って買い物しがてら聞くとか?」

脳筋にしてはいい意見だ。

「じゃあどこに入ろっか?」

「……食堂とか?」

さっき飯を食ってから時間はそう経っていないはずだが、もう腹が減ったのか?

「食いしん坊であるな。」

「ち、ち、ち、違いますよ!?話を聞くだけ、聞くだけですからね!!」

騒ぐな。


「いらっしゃい。」

「あの、少しお話を伺ってもいいですか?」

「なんだい?」

俺達は次の村や町についての情報を聞いた。


「それだったら、前までは4日くらいの場所に村があったよ。」

「前までは?」

「今はないんですか?」

「みんな飽きたら移動して、また飽きるまでを繰り返してるからね。

あるかもしれないし、ないかもしれない。」

何なんだ、この国?


「でも首都と六魔の方達がいるところなら、そう動かないけどね。」

「六魔とはなんであるか?」

「王を補佐する方達の事さ。六人いてそれぞれ別の役割を担当してる。」

「六魔がいる一番近くの場所は?」

「街道沿いを歩いて2週間ってところかね。」

2週間か、思ったより遠いな。


「ありがとうございました。」

「待ちな。せっかく話してやったんだ注文くらいしていきなよ。」

やっぱりこうなったか。


「デザートでもいいであるか?」

「食わないよりはマシさね。」

聞くとデザートは日替わりしかないと言うので、しょうがなく全員

デザートを頼んだが、

「何コレ……」

イモリの黒焼きみたいなのが出てきた。


「デザートってもっとこう……違うのを想像してたんですけど……」

「ウチのデザートは精力増強がメインだからね。あんた達もしけこんだ後だろ?」

一瞬、殴ろうかどうか迷った。

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