第63話 薬師大活躍

「おや、まあ凄い威力ですね。」

遠くの方から声が聞こえてきた。


「まさか、アレだけの数が一瞬で殺られるとは思いませんでしたよ。」

「何者ですか?」

「つれないですねぇ……一度お会いしてるじゃありませんか。」

この、イラッとくる喋り方。

「お前、サベルか?」

「お見事、正解です!!」


サベルはピエロの姿をして宙に浮き、こちらに話しかけてくる。

「誰であるか?」

「君は初めまして、ですかね?サベルと申します。

魔王様が世界を征服する日を今か今かと待ち望んでるだけの小者です。

さて、サハギンを倒してくれたお礼をしないといけませんね。」


「何をする気だ?」

「次の軍団を送り込むまでですよ。」

「お前がけしかけてきてたのか?」

「もちろん。召喚魔法は得意中の得意でしてね。」

サハギンは【マリオネット】状態になってなかったし、召喚魔法とやらは

使うだけで言う事を聞くようになるのか。


「この街を襲う理由は?」

「教える必要ありませんよね?」

「みんな迷惑したである!」

「だから?」

いちいち癇に障るな。


「では、ショータイムです!あ、アナタはじっとしていてくださいね?

まぁあれだけの高威力魔法を使ったら、しばらくは魔法を使えないでしょう?」

確かにいつもに比べて消費が激しかったな。

だが、


MP:9000


元が9999だったから、消費は999だな。

後、9回は放てるぞ?


街の外に大きな魔方陣ができ、現れたのは巨木の魔物達だった。

「トレントですね。」

「あれだけ大きいと、さっきより数が少なくても脅威ね……」

召喚される前からサベルのステータスを確認していた。今は、


サベル Lv32

HP:660  MP:394  ATK:65  DEF:70

INT:148  MGR:157  DEX:100  LUC:85

スキル

【召喚魔法の心得】【闇魔法の心得】【召喚魔法 消費MP10分の1】

【浮遊】【弓の心得】


召喚魔法を使う前のMPは475だった。

MPが475から394になったということは消費MPは81、ユニークスキルがあるから、

実際は810でいいのか?

それよりアイツが浮遊を覚えている事が気になる。

地面に降りられなくなるのか、聞いてみたい。


「どんどん増えてってるよ!」

くだらない事を考えている内にトレントの数が増えていた。

ざっと見積もって200から300といったところか。

さっきの魔法は使わないようにしようと決めたばかりなんだがな。


どうするか決めかねていると、服を引っ張られて何事かとそちらを見ると、

サーシャが何かの粉末を持っていた。

「コレをさっきと同じように飛ばして欲しいのである。」

「それは?」

「除草剤。」



見る見るうちに木が崩れていくのがわかる。

「うわ~……」

「ここまでくると爽快感が湧いてくるな。」

「えっへん。」

「さすがですね!」

「一回崩れ始めたら、自重で潰れるのね。」


サベルが慌てている。

「た、たかだかトレントを倒したくらいでいい気になるのは早いですよ!?

次です、次行きます!」


次に現れたのは骨と死体。

「キモッ!」

「スケルトンにゾンビですか……」

「大丈夫、聖水の材料が大量にある。」



……骨や死体がどんどん溶けていく。

「あなた達に女神の加護がありますように。」

「成仏しろよ。」


サベルが、さらに慌てる。

「えぇい!次です。」


今度は空に魔法陣ができ、ライオンの体に、ワシの顔と翼が付いた魔物が現れた。

「グリフォン!?」

「素早くて厄介な魔物よ!」

「ん~……じゃあコレ。」



グリフォンがどんどんと地面に墜落していく。

「……サーシャちゃん、今の薬は?」

「鳥の獣人達がストレスとかのせいで、抜けるはずの羽が抜けなくなった時に

使用するものである。」

召喚される魔物達が哀れになってきたな。

コイツ、敵が多い時は俺の次くらいに強いんじゃないか?


「何なんですか!何してくれるんですか!!」

サベルが怒ってる。

「遠距離から薬で倒すとか……ちゃんと戦いなさい!」

お前が言うなよ。

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