ルクス・エテルナ

作者 南 伽耶子

歴史小説の醍醐味

  • ★★★ Excellent!!!

入念に調べられた史実に沿って、
当時の米沢の人々が生き生きと描かれています。

本格的な歴史小説ですが、
堅苦しさは無く、主人公の恋愛や成長物語が、
魅力的に描かれていて読みやすいです。

その一方で、
人間の信仰と殉教という重いテーマに斬り込まれていて、
感服してしまいました。
「彼方の光」というタイトルが胸に迫ります。

作者様は米沢の御出身でカトリックの信者さんということですから、
この小説を、お書きになる為に
この世に生まれられたのではないでしょうか?!
と思ってしまうほどです。


私はルーツが東北人ですが、恥ずかしながら、
この事件のことも東北のキリシタン事情も
全く知りませんでした。
知らなかったことを追体験できるのが、
歴史小説の醍醐味だと思います。


突然、数年前に読んだ新人物往来社の本、
西村美智子氏の「無告のいしぶみ 悲謡抗戦信長」を
思い出しました。
長島一向一揆の物語で、
やはり名も無き人々(庶民)の信仰がテーマでした。
読み終わるまでにティッシュ一箱分ぐらい泣きました。

「彼方の光」にも同じテイストを感じます。

女流作家ならではの、
登場人物に対する母性愛のようなものがあるのでしょうね。

だから重いテーマでも後味がいいのです。







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