ルクス・エテルナ

作者 南 伽耶子

21

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★★★ Excellent!!!

歴史小説としての重厚なこくと、青春小説の甘酸っぱい味わいを楽しめる名作。

作者さんは私のコメントに毎回丁寧に返信をくださいましたが、その内容からも作者さんが徹底的に足を使って膨大な史料にあたり作品を構築していったことが分かります。それがただ羅列されるだけでなく、物語の中に落とし込まれているのは見事の一言。

また主人公の描き方が巧みです。内側から湧き出るドロドロとした醜い感情と、一途で頑固なほどの清らかさが矛盾なく一人の人間のうちにおさまっている。

ふみ、西堀式部、信士郎など、それぞれ魅力的な登場人物たちの生き様にもぜひ触れていただきたい。

文句なく星3つの素晴しい作品でした。

★★★ Excellent!!!

この作品を評価するのは非常に困難です。
娯楽作品ではないですし、純文学に近いかもしれません。一昔前まで散見された。キリスト教文学のようでもあります。
この小説の登場人物たちは、身分制度という横糸と、宗教という縦糸で区切られたマトリクスの中でもがき苦しんでいます。
その様子は読者の心のあり方によって様々な形を採るでしょう。
いずれにせよ、優れた作品であることは確かです。

★★★ Excellent!!!

入念に調べられた史実に沿って、
当時の米沢の人々が生き生きと描かれています。

本格的な歴史小説ですが、
堅苦しさは無く、主人公の恋愛や成長物語が、
魅力的に描かれていて読みやすいです。

その一方で、
人間の信仰と殉教という重いテーマに斬り込まれていて、
感服してしまいました。
「彼方の光」というタイトルが胸に迫ります。

作者様は米沢の御出身でカトリックの信者さんということですから、
この小説を、お書きになる為に
この世に生まれられたのではないでしょうか?!
と思ってしまうほどです。


私はルーツが東北人ですが、恥ずかしながら、
この事件のことも東北のキリシタン事情も
全く知りませんでした。
知らなかったことを追体験できるのが、
歴史小説の醍醐味だと思います。


突然、数年前に読んだ新人物往来社の本、
西村美智子氏の「無告のいしぶみ 悲謡抗戦信長」を
思い出しました。
長島一向一揆の物語で、
やはり名も無き人々(庶民)の信仰がテーマでした。
読み終わるまでにティッシュ一箱分ぐらい泣きました。

「彼方の光」にも同じテイストを感じます。

女流作家ならではの、
登場人物に対する母性愛のようなものがあるのでしょうね。

だから重いテーマでも後味がいいのです。







★★★ Excellent!!!

江戸時代の米沢と江戸の地を舞台に、 時代と自己に翻弄される若侍が主人公。愛されることなき幼少時代から読み始めると、細やかな描写も相まって 母性本能擽られ 見守らずにはいられなくなり 今に至った読者です。

史実を絡めた大河ドラマは一話一話の内容も濃く、魅力的な友人達、儚い恋、ひとときの温もり(納戸は熱い)、太刀さばきも鮮明な『活劇場面』…と緩急自在。歴史好きの方にもお薦め。

斜めに真っ直ぐな主人公・尚次郎様の目に精気が戻り、歴史の大波と対峙する日を楽しみに待っています。