釣り
みんなは釣針に餌を付けて釣りをする。
でも、僕は釣針に餌を付けない。
だって、僕は獲物を釣りたい訳じゃない。
僕が釣りたいのは機会。
獲物を狙って餌をぶら下げると、
結構、外道が釣れたりもする。
それで、みんなは不平不満を言っている。
「こんなはずじゃなかった」
他者に何かを期待したところで、
期待通りになんかはいかないだろう。
だったら、最初から期待なんかしない方がいい。
結果を求めずに行為を楽しもう。
だから、僕は釣針に餌を付けない。
釣れる必要が無ければ、餌は必要無い。
自分の気の済むまで、釣りをしていられる。
釣りをするという機会を釣るのだ。
そして、餌を付けずに釣りしても、
時々、外道が釣れたりもする。
そんな時に、僕から苦笑いが洩れる。
「こんなはずじゃなかった」
でも、それはそれで仕方がない。
僕が餌を付けずに釣りする変わり者なら、
餌の無い釣針にかかる変わり者もいる。
単に、そういう事なのだろうから。
そして、僕は釣針に餌を付けない。
釣れる必要が無ければ、結果は関係無い。
外道が釣れるというハプニングも楽しめる。
それもまた、貴重な機会に出来るのだ。
この世界は全て、偶然で出来ており、
その偶然は全て、必然により導かれる。
あらゆる機会、あらゆる可能性。
それらを楽しめるような釣りをしていたい。
いつまでも、いつまでも。
I'm Fishing Opportunities...
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