人間の主観。

「いつもかわいいシロ!」

 太郎君は、ペットの犬を可愛がっています。シロはうれしそうにワンワンと鳴き、ペロペロと手や顔をなめてくるのです。


 太郎くんとシロはいつも仲良しで、普段からずっと一緒。学校から帰って来るやいなや「シロ!」と、名前を呼ぶと、シロも太郎君にすりより、ペロペロとなめてきます。


 ──しかしまあ。「人間たちは、実は自分が味見されている」なんてことに、有史以来気づいてこなかったなあ。

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