3-9 おじゃまして

「お邪魔しまーす」


 勝利は、昼食を済ませ、真理守の家に入った。


「あらー、勝利くんいらっしゃい」


 真理守の母が返事をした。


「よう、勝利、俺の部屋で会議するか」


 真理守はそう言い、彼を自分の部屋にいれた。


「しっかし、真理守とお前の母ちゃん、めっちゃそっくりだなー」


「俺は母さん似らしいからな……」


「特に、かわいいところとかな!」


「おい、勝利、お前……」


「あら、勝利くんありがと」


「げっ真理守の母ちゃん……」


 2人の会話を聞いていたようだ。


「ふぅん、そうか、お前は人妻にかわいいとか言えるタイプの人間かー」


「やめろーやめてくれー!」


 立場が逆転して、頭を抱える勝利。


「お前こそツインテールで、小柄で、かわいいもんな」


「うっ」


 その言葉に、少し怯んだようだが、勝利は「ん?あっ!」と何かをひらめき、


「お前だって男にかわいいって言ってるじゃねーか!」


「げっ!!」


 今度は、真理守が怯んだ。


「っていうかそろそろ会議しようぜ」


 なんとか話を今回の目的に変えてごまかした。


「そうだな、じゃあ対ポニーについて考えるか」


「その前に、母さん、いつまでいるんだ」


 真理守の母は、ずっと2人の会話を聞いていたのに気付き、真理守は、部屋から追い出す。


「あっ真理守ごめんごめん、ママは、一階でテレビでも見てるわねー」


 そのまま下へ降りていった。


「じゃあ話をはじめるか」


 真理がそう言い、2人の対ポニーについての作戦会議が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る