終末少女の日記

第43日 終末暦6531年 4月12日（火）（推定）

　しゅうまつれき6531年　4月12日（かようび）　晴れ　あげぱん

　きょうもつくえで目がさめました。Jちゃんが、わたしのつくえの上にも花びんをおいてくれました。ケシの花が白くてきれいです。まい日、お水をかえた方がいいとRちゃんに言われたので、そうしたいと思いました。ケシのはなをおいたきねんに、みんながわたしのつくえにペンでおえかきや字をかいてくれました。いみはわかりませんでした。たぶん、すごいことをかいてくれたんだと思います。じゅぎょうは、うさぎのころし方についてのおべんきょうをしました。うさぎはおなかの中に入るとからだにわるいので、からだに入るまえにめんぼうでよくたたくか、くびをきるしかないのです。みんながくびをきるほうがラクだよ、と言っていたので、こんどやってみたいと思います。たのしみです。おひるごろに、わたしのせいふくがとどいたと、先生がとどけてくれました。せいふくをきてみると、みんなとおなじになれました。Yちゃんがわたしの目にホウタイをまいてくれました。ホウタイをまいたらなにも見えなくなっちゃうとコワいなと思ってたけど、そうじゃなくて、ヨケイなものがなにも見えなくなったのでぎゃくにベンリになったと思います。それに、みんなといっしょなのでこわくありません。わたしは、いままでは、みんなとちがっていました。いまおもいかえすと、それはとてもこわいことでおかしなことなのだと思います。でも、きょうからみんなのナカマになれたと思いました。これからも、みんなといっしょになかよくすごしていきたいと思います。あと、おひるのあげぱんがおいしかったのでまた食べたいと思いました。

　【せんせいからのことば】

　Kさん、私に日記を見せてくれてありがとう。昨日（きのう）の夕方に私のところに来てくれたときは驚（おどろ）きました。あなたは昨日の夕方、”ここで過ごしていたらおかしくなる”と言いながら、私のところに来てくれましたね。大丈夫（だいじょうぶ）。あなたはおかしくなんかありませんよ。その証拠（しょうこ）にちゃんとみんなと仲良くやれているじゃないですか。

　実は私も、外から来たあなたがここになじめるかどうか、とても心配（しんぱい）していたのです。でも、心配しすぎていたみたいです。みんなと一緒（いっしょ）に過（す）ごすあなたを見て、先生は安心（あんしん）しました。これからもみんなと楽しくここでステキな思い出を作ってくださいね。ここはきっとあなたにとって楽（たの）しいことばかりのはずだから。

　机（つくえ）の上のおえかき、赤や黒や茶色でたくさん書いてありましたね。明日になったらもう少し詳（くわ）しく見せてください。

　ウサギの殺（ころ）し方はちゃんと分かりましたか？今度、実技試験（じつぎしけん）（注：授業（じゅぎょう）で習（なら）ったことを実際（じっさい）にやってみることです）をやりますから、忘（わす）れないでくださいね。

　あげぱんはまた今度（こんど）出ると思いますよ。楽しみですね。私はねじった形のパンを揚（あ）げた”ねじねじあげぱん”が好きです。Kさんは何が好きですか？

　日記の書くときは”思いました/思います”ばかりじゃなくて、色んな言葉（ことば）を使ってみましょう。あと、国語（こくご）の教科書（きょうかしょ）みたいに段落（だんらく）分けをしてみると見やすくなりますよ。

　明日も書いたら、先生に見せてください。

　明日もKさんやみんなにとって、良い日でありますように。

　先生より