第172話 ダイエット2
腹ばいになり、胸の下で手を合わせ、足の裏もお尻の前で合わせ、腰を左右にユサユサ降ります……なんだか、アレな動きです。
それを見ていた私の母がイライラして言いました。
「そんなク◯にもならんことしなや!」
それに対して
「いやいや、ク◯ぐらいにはなるわ!」
と言い返す私。(下品ですみません)
だって、これ。
たった10日間でウエスト−7センチになる体操なんですもの。
ダイエットしようとした人がよくとる、あるあるな行動。
いかにラクして痩せるか、ということですね。
たった一ヶ月で5キロ減とか、一週間で何センチ減とかいう文句に見事に踊らされることはみなさん覚えがお有りかと。
そういう体操の動画を見ては、期待をこめて実行する私でしたが、皆さんの予想通り、ええ、ちっとも効果はありません。
ストンと一ヶ月で5キロ体重が落ちたものですから、停滞期に入ると思い通りにならずもどかしい。
頑張ってるのになあ。やはり、年季の入った脂肪はやすやすとは落ちないのか?
いろいろ試しました。
冷やご飯ダイエットや、お白湯ダイエット。
効かないですねえ。
なろうでのダイエット指南書、「恋するダイエッター大奮闘記」も参考にさせていただこうと再読。
やはり、バランスのいい低カロリーな食事、そして運動。何よりもお菓子は厳禁。急いては事を仕損じる。雨垂れ石を穿つ。
わかっちゃいるんですけども。
子供を含めた七人(たまに八人)家族で暮らしていますと、お菓子は常に目の届くところに置いてあるわけです。
食べなきゃいいのに、食べちゃう!
うーん、我慢出来ない。
それでもありがたいのは、今が授乳期間中で、いっぱい食べたとしてもなかなか太りにくい時期だということ。数字がプラスになることは、まあないということです。
マイナスにもプラスにもならず、体重メーターの数値は変わらないまま。
うーむ、テンション下がるなあ。
そんな中、恋するダイエッター大奮闘記で気になるダイエット法を見つけました。
ラジオ体操ダイエット。
おお! ラジオ体操!
ラジオ体操というのは、たった三分間で身体の四百もの筋肉を使うすんごい運動だそうです。
ただ、だらだらとやってはダメ。真剣に軍隊のようにキビキビと動作をしなければなりません。
私、これ、自信ある!
私の通った中学では体育でラジオ体操のテストというのがありました。
体操一つ一つの動作をみっちりと指導され、額に汗をかくほど練習をし、超怖い体育の先生の前で試験をし、何回もの不合格を繰り返したのちにやっと合格をものにする、という大変厳しいものでした。
ですので私、ラジオ体操はかなりのハイレベルでできる自信があるのです。
これだったら、私にかなり向いてる! 絶対、痩せるわ!
それになおかつ、ラジオ体操は夕方四時ごろにすれば一番効果的だという情報を仕入れました。
おお!
Eテレの四時から番組を見ながらやれば、ちょろいな。私、いつでもすぐ痩せれるやないか!
みなさんも必ず経験がお有りだと思いますが。
ダイエットグッズを買っただけ、もしくは方法を勉強しただけで満足して痩せた気になってしまう、幻想。(アレ、なんなんでしょうね?)
それ以来、いつでも痩せれるわ、と安心して何もしてない私なのでありました。
しかし、数日前、書ける文字が増えて何か書きたくてたまらない長男が私に手紙を書いてくれたのです。
『ままへ。まま、あかちゃんうんでからふとったままだから、やせてね。△△(ジャイ子)よりはやせてるから△△ほどはがんばらなくてやせなくもいいけど、でもやせてね。△△にぬかされやんときや』
※ジャイ子は太り気味に突入。少し、カロリーを控えた食事に。
なんだか優しい文章が、かえって胸をえぐります。
……うん、おかあさん、頑張るわ。
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