第137話 ゲーム2

 夏休み、近所に住む長男と同級生の子と一緒に花火をしました。

 その子のパパさんが付き添いで来て、子供たちが花火をしている間、雑談しましたが。


 まず、夏休みの自由研究、工作はどないする? ということ。

 パパさんの話だと、基本、小学一年生は「貯金箱」だそうです。


 そして、話題は通知表へ。

 私もパパさんも見た感想は「ショックだった」で一致。

 成績が悪い、というのではありません。

 私たちの時とちがい、通知表は。

 相対評価ではなく絶対評価。


 1〜5の五段階ではなく、◎、◯、△というのが評価なのです。個人の評価になるわけですね。これで、二学期には△は◯へ、◯は◎になるように頑張りましょう、というわけです。

 なんだか拍子抜け。見る甲斐がないといいますか。

 クラスで自分の子はどの位置なんだろう、何が抜きん出てるのか、もしくは苦手なのか、というのが見えてこない。やはり、親なら気になるものです。

 私たちの時のように、オール5をとった子をおお〜! とみんなで賞賛する、といったことももう無いのですねえ。


 そして、次に話題は核心に迫りました。

 ゲームは買う? どうする? ということです。


 実は、この子と長男、そしてもう一人のクラスの子の三人がまだゲームを持っていません。他の子はみんな持っているわけですから、三人とも常に買って欲しいと言ってるわけです。

 でもですね。

 だからこそ、この三人は放課後、空き地などでサッカーやキャッチボールや何やらをして遊んでいるわけでして。


「それでいいと思わん?」


 同感です。ゲームなんてのは大人になったらアホほど出来るのですから。(私は出来ないけど)

 外遊びなんてことをするのは、今この少年時代だけでしょう。体力もつくし。


「絶対ハマってゲームばっかりするようになるやろ。それをやめさせて宿題しろ、て怒るのも嫌やろ」


 確かに。

 お互いに、怒られたくないし、怒りたくない。わざわざタネをまくようなことはしたくありません。


 その子のママさんともお話ししましたが。

 最後の一人になるのは可哀想だから、その時にはお互いにゲームを買いましょう、という結論で話は終わりました。ーー


 そして。

 つい最近、残りのもう一人の子が、とうとうクリスマスプレゼントにゲームを買ってもらうというお話を聞きました。


 もう、年貢の納め時かなあ。


 うーん、来年の今頃には我が家にはゲームがあるのかなあ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る