第117話 長男の立ち位置

 本日、寝る前に隣の布団の長男といろいろ話しまして。

 皆さんにその内容を報告いたします。





 ――クラスの男子で誰が一番怒りっぽいの? ケンカするの? (私)


 ――Sちゃんと、Kくん。(長男)


 ――(あー、予想どおり)……優しい子は?


 ――Uちゃん。


 ――(分かるわー)ほな、一番面白い子は?


 ――え、それはオレやん。完璧、オレ。絶対、オレ。


 ――(自分で言うとるからなあ、どうやろか)じゃあ、かっこいい子は?


 ――そりゃあ、『解決するヒト』や。


 ――は? 『解決するヒト』? (名前を呼んではいけないあのヒト、みたいやな)誰、それ?


 ――Mくん。


 ――Mくん? おかあさんの好きな子?


 ※Mくん……私が保育所のときから目をつけている、なんでも平均以上にこなすクールな子。


 ――うん、ケンカをいつも解決するから。


 ――(仲裁役が上手い、ってことか。さすがやな)やっぱりMくん、カッコええなあ! おかあさん、惚れてまうわ! あんたもMくんみたいになり!


 ――(聞いてない)この前女子二人がケンカしはじめてな。オレが「ちょっと、待て」って間に入ったら、「あんた、関係ないやん、どいて」って突き飛ばされてな。


 ――(女子、怖いな)うん、それで?


 ――頭、ごーん、て机で打って、イタァ、てなってんけど、また止めようとして間に入ったら、突き飛ばされてな。そんで、もう一度入ったら、また突き飛ばされて頭打ってな……。


 ――……。(三回も! あんた、オモロイやんけ!)


 ――そんで、『解決するヒト』が来てな。Mくんがケンカ解決した。


 ――……。


 なんていうか。

 息子はMくんの前座っちゅうか、当て馬的な役割?


 ……それにしても、やはりMくんはイケてるな。ウチの目に狂いはなかったな。

 ああ、一体、どう育てればあんな子に育つんやろう。ウチの子もMくんみたいにかっこよくならへんやろか。


 ――あんた、よく、三回も突き飛ばされて怒らんかったな。


 ――めっちゃ痛かったし、ムッカーてなったけど、女子に手をあげんのはな、て思て。されたんがSくんやったら、すぐパンチしにいくけどな。


 ――……あんた、エライやん。


 ――もう、9時やから寝るわ。


 ――おやすみ。


 ――おやすみなさい。




 ……理想はMくんみたいな男子やけどな。


 あんたみたいな立ち位置の男子も、おかあさん、好きやわ。



 満足して眠りにつく私なのでありました。



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