第87話 転職
主人が転職を決意したようです。(船乗りだということは変わりません。雇用主を代えるという意味です)
実は、今回で六回目です。
就職の不況にあえぐ陸上はなんのその。
陸の方には信じられない話かもしれませんが、海の世界では船乗りはホイホイ転職します。
まあ、若いうちはいろんな船に乗ってどんな船でも乗れるように学ぶ、ということもあります。(美容師さんが修行のためにいろんなお店を転々するのと同じですね)
そして現在、船乗りの数が猛烈に不足している、ということが最大の原因であります。
それでも私と主人が初めて就職したときは、海の世界も陸の世界と同じ就職氷河期まっただ中だったんですよ。でも、それが最後。
団塊世代がどっと退職したのを機に、海の世界は超人手不足になってしまいました! (ちなみに船乗りの退職年齢は55歳)
主人が今まで乗った船は、タンカー、RORO船、天然ガス、セメント、フェリー(あ、この時は入職したその月に会社が倒産しました)、タグボート……。
すっかり退職届、履歴書を書き慣れている主人。
(何回、『一身上の都合』で退職してんねん! 都合なんていつも何もないやろが。←条件がいいのを見つけたらそちらに乗り換えてるだけです)
本当にどの船も人手不足で悩んでいまして。新人さんでもなんでも全然かまわない。その中でも、経験が多少ある中堅クラスの年代の船員というのは、喉から手が出るほど欲しい存在です。
いつも、内定は即決!
履歴書送り、面接を受けたらその場で内定。面接日が入社日。
電話して、履歴書送ったらそれでOK、てこともありました。(陸ではありえねえ)
そしてそして陸から見れば本当に考えられないことですが。
なんと面接を受けるのに交通費が支給され。
そしてなおかつ、なんと。
『日当』! が出ます。(ありえない。なんだそりゃ)
ヘタしたら昼食代も出ちゃったりします。
いたれりつくせり。
退職日の次の日が入社日です。(保険とかいろいろ都合がいいですからね)
次に主人が下船したら退職して、もう次は違う会社の船に乗るということですね。
どうですか。
将来の就職を考えている若い学生の皆さんがこれを読んでおられましたら。
カモン、海の世界へ!
Let’s 船乗り!
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