第二幕『嗜好』
「ようメーヴォ、横座るぜ」
カタンと皿を置いて、ラースが横の席に座った。
「どうした」
「たまには横で飯もいいかなぁって」
ラースの皿にはナンが乗っていて、スープ皿にカレーが乗っていた。
「なあラース。そのパンって美味しいか?」
「食べたことねぇの?」
「この白米が結構美味しくて、そっちにはまだ手を出してないんだ」
「勿体ねぇ!そっちの半分寄越せよ。こっちの半分くれてやっから」
「そんなに美味しいか?」
「絶対ハマる」
結局二人でカレーの具材は何が良いかとか話しながら食事をした。半分もらったナンはモチモチしつつも、焼き目のついたところがサクサクしていて香ばしくて、凄く美味しかった。来週の金曜は絶対にナンを食べよう。
と、思った翌週の水曜日。翌々日にカレーの日を控えていたジョンが船長室を訪れた。たまたまラースに用があった僕はその報告を横で聞いていた。
「アカン船長。食料が足りへん。特に肉魚介類が足りん」
スァッと僕とラースの血の気が引くような音を聞いた気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます