第八話『海賊竜と海賊少年』
第一幕『海賊旗』
割れた髑髏と背後に銃。口元には頭蓋を砕いた弾丸を咥えさせた、魔弾の二つ名に相応しい意匠。それがヴィカーリオ海賊団のジョリー・ロジャーだった。
しかし七ヶ月前に加わった新たな船員の活躍を讃え、宝の鍵を手にした証と、それを手放す気は無く、来る物は全て亡き者にすると言う強い決意の現れとして、そこにある意匠を追加した。
「形として綺麗にまとまったな」
「良いだろぉ。俺もスゲェ気に入ったんだぜ、この図案」
頭蓋の黒い瞳の中に金環蝕の光を、頭蓋の背後には銃と交差するように爆弾を書き加える。
「派手とは言わないが、あれだ、ワザとらしい」
「いいのいいの!コレでもかってアピールして、相手を牽制するんだよ。お前も元殺人鬼で海賊って、軍に目ぇを付けられてる。しかも蝕の民の末裔でお宝を修復する技術があるってんで、お前の事をみーんな狙ってるんだ。こっちは迎え撃つ準備があるぞって見せつけてやるんたよ」
堂々と金環蝕と爆弾をあしらったデザインを見て、張本人であるメーヴォは何処となく嬉しそうに苦笑していた。
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