第十四幕『明日からの話』
その後、別の街である人形師に出会い、その男のアドバイスでエリーをより美しく飾ることにした。切り落とした髪でカツラを仕立てエリーに被せ、髪飾りで飾り立てて。船長室には同じ背格好ほどの人形を用意し、その首部分を外して台座を作り頭蓋の定位置を作った。
「いつでも俺とエリーは一緒ってワケさ」
「そうまでしてるのに女遊びに行く神経がやっぱり分からないな」
「それとこれとは別の話なんだよなぁ。ところでさ、死姦した時ってアレどうなの?締め付けとか」
「お前、そう言う話に摩り替えるか?もう僕には興味のない事だ。忘れたよ」
「あっ、お前そう言うのはナシだぜ。ちなみに俺は今でもエリーをオカズに……」
「止めろ生々しい」
何だよ下ネタ話そうぜ!と首をホールドされて、抵抗空しく落とされかけた。本気で首が絞まって真剣にギブアップを訴えた。
「げほっ、そこまでやるか馬鹿野郎」
「あっははは、あぁーあー……はぁー……何だかスッキリしたぜ、ありがとなメーヴォ」
一頻り笑ったラースが、少しだけ真剣な顔で謝辞を述べた。お前から殊勝な事を言われると気分が悪くなりそうだ、と喉まで出掛かった皮肉を噛み殺し、僕は建前と本音を半分ずつ口にした。
「言っただろう、お前には宝への航路をしっかり取ってもらわないと困るんだ。僕のためにも健康な航海をしてもらわないとな」
「ちょ、海賊相手に健康ったってなぁ」
「ヴィカーリオには他の追従を許さない食事の番人と体調管理の番人が居るだろう?健康優良海賊があっても良いんじゃないか?」
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