第八幕『異変』
「おごぁぁぁ!」
頭が真っ二つに割れるような強烈な痛みに再び俺は見張り台の床に突っ伏した。痛みを堪え視線を巡らせた先で、ぐるぐる旋回する見覚えのある髪飾りがいた。俺に激突してきたのは鉄鳥だった。
「いってぇなこのクソ鳥!俺の頭は射的の的じゃねぇんだよ!」
キィンキィンと空気の震える音を発し、グルグル回り続ける鉄鳥の様子に、首の後ろでぞわりと悪寒が走った。
「ってか、お前メーヴォはどうした」
その言葉に何かを訴えるように、鉄鳥は旋回の速度を増した。よく目が回らないこった。コイツはメーヴォとしか交信出来ない。交信する力が普通の人間には備わっていないらしい。俺にコイツの声は聞こえない。だが何かが起こっていて、それはメーヴォの身に起こっていると言う事は間違いなさそうだ。
「兎に角、話を聞かねぇ事には始まんねぇ!」
飛び起き、見張り台から滑車でロープを滑り降りる。同時に駆け足で船に入ってきた情報屋レヴとかち会った。
「ビンゴォッ!」
どうやら鉄鳥は俺より先にレヴに異変を伝えておいたらしい。良く出来た従者だ事。
「お頭!メーヴォさんが」
「よぉし、作戦会議だ!」
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