第424話
イファートが咆哮する。
そして炎の巨腕を振り上げ、叩き潰そうとマルフスに迫る。
炎の巨神が振り上げたその腕を振り下ろせば、無力な灰色肌の小男はいとも簡単に砕け散るだろう。
だが逃げはしない。彼にそのような選択が、有りようはずもなかった。
「このマルフスの命ならばくれてやる!! だがどうか、あの男だけは殺さないでくれ!!」
必死というより決死の叫び。
「頼む炎の神よ。彼を殺すな!! 星々の王を奪うな!! 希望を、俺の宿命を奪わないでくれ!!」
強く強く心を震わせ、彼は叫び懇願する。
「頼む。同じ星のもとに生まれた兄弟よ!!」
マルフスは知っている、星は『世界』の姿である事を。
人も獣も精霊も、そして古き神々すらも『エンテラ』という同じ星のもとに生まれた命である事を彼は理解していた。
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