第151話
「凄腕の魔術師……、お前達まさか、灰色の地に向かう開拓団ってやつか!!」
「だったらなんだってんだ」
「はは、まさかこんな所で出会えるとは、よし……、なぁ、頼む。私もこの開拓団に加えてくれないか。壁を越えた先に行ってみたいんだ」
「行ってみたいって……、俺達は旅行に行くんじゃねぇんだぞ。やめとけ田舎娘」
ガドーの言葉に女はむっとした表情で言い返す。
「では尋ねるがお前達は灰色の地の事をどれほど知っている? 行く道に当てはあるのか? 私にはライセンがいる。未知の場所では空からの眼は役に立つはずだぞ」
「空からの眼……」
女が指笛を吹く。すると鷹が彼女のもとへ降りてきて弓を持つ手とは反対の腕に止まる。
「見事なものだ」
「やるねぇ」
レグスとディオンが鳥を見事に飼いならす女に感心する。
「この子は賢い。はるか上空から何キトル先もの空で、大地で、何が起こっているか知らせてくれる。灰色の地は魔物が多く棲み付く恐ろしい地だと聞いている。この子の眼は役立つと思うが?」
「ああ、わかったよ」
ガドーが面倒そうに言うと、この開拓団に加われると早合点したのだろう女が笑顔になる。
「じゃあ!!」
「待て待て、そうじゃねぇ。俺達は下っ端だ。決定権なんかねぇよ。ちょっと待ってろ」
ガドーがシドを呼びに行く。一言二言交わした後シドは御者台から降り、女の方へとやって来る。
そして女の身なりと顔を見た後、シドははっきりと短い言葉で女の参加を拒絶する。
「駄目だな」
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