第115話
青い目をしているが平均的な青目人に比べて肌が少々焼けているようで、髪色も黒に近い色だ。
これらの特徴からレグスが最初に思いつくのはユロア大連邦に属する一国、デリシャ共和国の人間。
実際その推測は当たっていた。
「ロブエルの旦那の状況が状況だ。あんた達が警戒するのは当然の事。だけど東黄人の彼が言う事にも道理がある。はっきり言って異常だぜ。この人数の少なさ。ベルティーナ、あんたのふるいがけが厳しすぎる」
レグス達はここで女の名を知る。
ベルティーナは男の指摘にも態度を変えない。
「無闇に人を増やしたところで灰の地の魔物の餌を増やすようなもの、雑魚を何人連れようと足手まといになるだけよ」
「だったら彼はグラスが認めるほどの実力者だろ。偽名だなんだつまらない理由ではじくなんて馬鹿げてるぜ」
「得体の知れない半端な実力者とやらの方が厄介なものでなくて?」
ベルティーナの頑なな態度に、もう一人の男からも批難の声が飛ぶ。彼も見た目からしてどうやらデリシャ人らしい。
「馬鹿げてる」
「なんですって」
「馬鹿げてるって言ったんだ」
「随分な言いようね、ディオンのおまけで雇われたにすぎないあなたが」
ディオンは最初にレグスとベルティーナのやり取りに割り込んだ方のデリシャ人の事だろう。この男の方は彼のおまけで雇われたにすぎないらしいが、態度は堂々としたもので。
「そうでもないな。俺やディオンだけじゃない。ガドーやシドだって内心あんたにはうんざりしてるんだ」
明確にベルティーナを批難する。
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