第99話 巨砲のある街へ

「緊急呼集だ」

 各部屋にいた、王国生まれの生徒達はウェルデンベルグから出された、手紙を見て喜んでいた。

「やっと戦える。王国は特務だけじゃないとこを見せてやりましょう?」

「おおー!」

 魔女の帽子亭に集まった生徒たちは、誰が呼びかけるともなく、ここに集まった。

「無理はするんじゃないよ。良いね?」

 魔女の帽子亭の主人は生徒達をもう一度見まわしてから念を押す。

「必ず生きて帰ってきな。特に医療課の子は一人でも多く救うように努めること。あんたら医療課の子は治すのが仕事。攻撃は騎士課、魔術課の領分だ。分かってるね?」

「はい」

「それから、科機工課。あんたらは工作が本分だ。常に搦手から攻めること。わかってるね?」

「はい」

「魔術課、騎士課の子らも心しな。一人で突っ込むんじゃないヨ?。騎士課は魔術課と組んでお互いを守ること。いいね?」

 返事はない。が、うなづくのは見えて、主人はよしとだけ言った。


 同じころ、科機工課のスズノは王国の研究施設にいた。理由は人員を補うための人型のゴーレムの最終試験の為だ。


 周りには、課の仲間が白衣を着て試験を進めたり、調整を行っている。

 天井から数十体の人型がつるされている。これらは皆、人型ゴーレムの最終型だった。

 材質はミスリル。鈍色が特徴であった。


「魔力の多い子が居ないと、並列起動はキツイかしらね」

 ゴーレムで隊伍を組み、銃を装備させて戦わせるプランだが、それは、魔力の多い者が奏者でなくてはならなかった。

 ゴーレム兵ならではの頑丈さ、痛覚がない点そして何度も立ち上がれると言う人体にはない利点が多い。

「スズノ。まだやっておったのか」

 声がかかり、研究所の入り口を向くと、そこには十人委員会のマルセル・ボネが立っていた。

「ボネ先生。こんばんは。」

「ゴーレムの兵士か。なかなか難しいだろう?」

 ボネはニヤリと笑って見せた。

「ええ。先輩たちの研究の最終形態です。手がかかりますよ」

 スズノは手に持っていたノートをボネに見せる。

「文句なら、ワシじゃなくシシリー先生に言うことじゃ。案を出したのはあの人だからな」

「このノートには「問題」「難題」の文字が一杯ですよ。あと先輩たちの文句も」

「あの人は、思いつきで行動するからのう。きっと、エンリケは大変だったろうよ」

「提案されたとき、ヒントはなかったんですか?」

「あると思うのか?あのババアに、「あらあら、そんなに難しいことかしら?」と言われてみろ。聞く気が無くなるわ」

 ボネの顔が、何か嫌なものを思い出したかのように歪んだ。

「結局、研究はほかの奴にワシもぶん投げた。ほかにやりたいこともあったしの。じゃが、お前も知っての通り科機工の生徒は諦めなかった」

「科機工の出した答えは、制御と魔力の供給を分けることです。それも、何組かに分かれることで魔力切れを防ぐことも含めて」

 スズノはノートをめくりボネに見せる。

 ボネは目を通し、頷くと言った。

「まぁ、一つの解じゃな。そのことをシシリーの奴には?」

「言ってません。成果は戦場で見せつけてやるつもりです」

「流石、ワシの生徒だ。仕事でやられたことは仕事で見せつけてやれ」

 新旧二人の魔術師が研究ノートを前に笑い合う、それは狂ったような笑みであった。


 ローデリアから奪い取った街で猫族手引きの元、ウェルデンベルグ、アナトリー,ミライザがが合流しようとしていた。

 アトリストの廃墟の一角。物見櫓があった所に飛び乗った猫族のミライザはスコープ越しに、ウェルデンベルグの姿を見つけた。

 ウェルデンベルグとクラリーチェ ・ディカニオ、クリストフ ・トールボリの3人が小舟に乗って大船からアトリストへ移動している。

「人選ミスじゃないかニャア…?」

 明らかに人選が悪いことに、ミライザはぼやきを漏らした。

 クラリーチェ女史と、クリストフ導師は、王国の2位、3位の序列を誇り王国ではウェルデンベルグ一人のお目付けとしては戦力を割きすぎているとも感じた。

 きっと、王国ではクラリーチェの代わりにシシリーが。クリストフの代わりはマルセル・ボネが務めているだろうことも、ミライザには容易に想像できた。

「来たみたいだね」

 上空からアナトリーが箒に横座りの体制で声を掛けた。彼の座る箒には王国の旗が結び付けられてある。遠くからでも見えるように。

「見えるかニャ?人選が「理論派」の2人ニャ。胃が痛くなるヨ」

「そうだね。ウェルデンベルグ様も、きっとここに来るまでに二人から「小言」をいくつも言われているだろうから、慰めてあげようよ」

「二人に割って入る気ニャのか?アナトリーお前どうかしてるニャ」

「そうかなぁ…。一声二声だけさ。大丈夫だよ」

 アナトリーは笑って見せた。



「入るぞ?」

 陣幕に入って来たのはウェルデンベルグと2人の魔術師だった。

「おや。ウェルデンベルグではないですか」

 雪乃は立ったままで、敬称だけを付けて呼んだ。

 これに対して、腹を立てたのはクラリーチェだった。

「貴方、膝をついてはどうなのです?」

 だがシシリーは意に介さない。

「何故、膝を付かねばいけないのかしら?立場は対等のはずよ?」

 ぎりぃ。クラリーチェの歯の根が軋んだ。

「よい。すでに、雪乃の間合いだ。二人とも陣幕の外にいなさい」

「ですが…」

「これは、警告じゃよ。雪乃の怖さがわからんわけではないだろう?首をへし折られるぞ?」

 実際、近づけば近づくほどに恐ろしさは分かっていた。

 文献で書かれていることは決して誇張でないことを二人は感じ取っていた。

 自分たちの長、ウェルデンベルグの元仲間。『鬼殺し』雪乃。

 曰く――――『重装備騎士団30人を一人で壊滅させた」

 曰く――――『鬼の首をぶら下げて帰って来た』

 曰く――――『魔術師の天敵』

 噂話が腐るほどあり、そのどれもが文献として残っている。

「これでようやく、話ができるの」

 ウェルデンベルグ一度、杖をトンと地面に打ち付けると陣が広がった。

「人払いの魔術…随分と用心深くなりましたねぇ」

「まぁ念の為な、さて、お互いの国が生き残るための話をしようか」

 ウェルデンベルグが真面目な顔つきになった。


 2


「まずはコイツを見てくれ」

 ウェルデンベルグが取り出したのは一枚の地図と絵だった。

 机にその二つを置くと、絵と地図を合わせて指さした。

「こいつが何かわかるかね?」

「大砲。そのくらい婆も知っていますよ。こんなに鮮明に書き取ったのは見事ですが。で…これが何か?」

「これが今から攻めようとしている拠点に2門あることが判明した。さらにもう一門は船に積まれる予定だということもな」

「こんな物を積んだら、船は沈むのでは?」

「そうでもない。洋上に浮くのさ」

 ウェルデンベルグはアルキメデスの原理を雪乃に説明しようかとも思ったが、止めた。話をそらしている時間はない。

「それが、本当だとしたら、それはすでに喉元に牙を立てられているのと同じですねぇ」

 雪乃は八重歯をむき出し、笑って見せた。

 ウェルデンベルグには、その顔が、どことなく悔しそうに見える。

「そう言うことさ。海があればどこからでも打ててしまう。弾と積載される火薬はとてつもなく大きい。当たってしまえばその先は跡形もなくなるだろう」

「海に囲まれている王国はまさに土壇場なわけですか。そして、雪花国も其れは同じ事」

 海がつながっていて、どこにでも移動できるとなれば、王国も雪花国も危険度はさして変わりない。

「対抗手としては、二つある。出来上がったものを打てなくするか、出来上がる前に廃棄するかじゃ」

「船を潰すのは?」

「現実的ではない。ローデリアの軍港は多いぞ?もう少し頭を使え」

 頭を使えと言われて雪乃がむっとしたのが、ウェルデンベルグには可笑しかった。

 まるで、仲間だった時のことがすぐ昔の様に思えたのだ。

 しかし、その笑顔もすぐに真顔へと戻る。理由は天幕の外から聞こえて来た声によるものだ。

「ここを通さんか!月狼国北方指令官、『北央』の卓瞬たくしゅんだぞ!」

「あのバカ…蹴り飛ばしてやりましょうか」

 雪乃は露骨にいやそうな顔をした。

「まぁ、入れてやろうではないか。一応、月狼国の正式な司令官だからな」

「フン、しかたない」

「なぁに、対面上仕方なくあってやるだけよ」

 雪乃嫌そうな顔にウェルデンベルグも頷いた。


 3


 モーリーン・ラスキン外交官が手配した4隻の船と王国から派遣された4隻の大型帆船は大陸の港にあって、兵員を載せている最中だった。

「大きい船だな。これなら我等も乗れる」

 人馬族の戦士達が順番を待つように港に集まっている。

 6隻はすでに出航して海の上を進んでいる。残すは今乗船を行っている王国の船と人馬族たちのための重量軽減の魔術が掛かった王国の特別製の8隻目だ。

 どの船も王国からの魔術師がゴーレムと魔術を使って操船中で1つの船に80人ほどのゴーレムとその奏者が16名。昼夜交代制を敷いていた。

 魔力切れを起こしたら、すぐに交代。医療課も4人乗り込んでいるので1つの船はおおよそ、20人の魔術師と80体のゴーレムで動いている計算だった。

「勿論。その為に手配したんだ。ここで降りるなんて言わないでほしいな」

「ああ、分かっている。同族を助けてくれた例はすると約束するわよ」

 女の人馬族は笑って見せた。

「行き先は、南吠。そしてアトリストだってね」

「うん。一回補給してからアトリストに上陸、内陸に切り込む」

「取り放題、存分に奪い放題って訳ね」

「反撃の開始。でも、中心部は敵だらけだ。大砲もあるって噂だよ」

 トウタは人馬を隣にして噂話を持ち出した。

「大砲か。厄介だな」

 人馬も顔を曇らせた。だが、

「ようやく、追いついた」

 後ろから声がかかり、上から日を何かが遮った。

「?」

 何だろうと上を見ると、笑った鬼の貌がそこにはあった。

「彩花さん」

「おう。久しぶりだね?すこし大きくなったねぇ」

 頭を、撫でられた。

「誰だお前は?」

 人馬は警戒心をあらわにする。

「あたしかい?あたしは鬼族の彩花。トウタに用があって来たのさ」

「用?」

「そうさ。お前に協力してやってくれってさ。だから――――仲間を連れてきてやったよ」

 後ろを見ると20程の鬼族が船着き場の荷物の陰に立っているのが見えた。

「彩花さん…」

「あいつらもこの大陸から出たがってたからねぇ。ちょうどいいころ合いだよ。新たな住処を探すにはさ。それに恩賞は分捕りなんだろう?」

「うん、それしかこの人たちを満足させられるものはないんだ」

「戦うってのはそういうことだよ。みんな何かが欲しいのさ。場所、金、名誉、いろいろなもんがね。お前さんだって王国に帰りたいだろう?あたしも、そこの人馬だって同じさ。だからあたし達も協力させてくれよ?な?」

「ありがとう」

 トウタは彩花に抱かれながら御礼を言った。


 4


「その案は飲めんな」

「なぜだ?魔術を使えるそっちが先頭を切るべきだ」

「その条件なら、卓瞬。お前の率いる月狼国も一緒ですよ。馬鹿ねぇ」

「ぐ!雪花国(属国)の分際で!ならばお前らが先頭を務めよ!」

「なにを言っているのやら。攻めるならみな同じに攻めねば。ローデリアには敵いませんよ?それも、夜襲しかない」

 巨砲が打てるのは昼間だけだ。夜中は弾着観測射撃ができない。

「そうだな。夜襲で忍び込み、巨砲を無効化するしかあるまい」

「確か、転送の魔術が使えたはずですよね?ジジイ?」

「ああ、無論じゃよ。ただ、ワシは王国に戻らねばならん。変わりに転送術式を使えるのは十人委員会のボネかシシリーちゃんくらいかの」

「月狼国は転送術式を使える者は?」

 雪乃の目が厳しくなる。

「いる。居るにはいるが、本国に派遣を要請するしかない。時間がかかる」

「早急に、依頼を掛けなさい。何ならウェルデンベルグを連れて」

「まぁ、仕方ないの。ワシが掛け合って――――大狐をひっぱりだしても良いぞ」

「ああ、昔、殺さずに救ってやった大狐ですか。出てきますかね?」

「大狐?まさか「北央」に居る妖狐様の事か!?あれは「北央」の鎮護の為に居られるのだ!馬鹿をいうな」

「あの大狐を連れてくれば、転送など簡単。人よりも大きな魔力で大人数が運べます。大人数が動けるとなれば、街を一気に制圧。巨砲は無効化。いい案では?」

「ああ。いい案じゃの。面白い」

「本気か――――?」

「本気ですよ。使えるものは何でも突っ込まねばねぇ。あの大狐にはたまりにたまった利子を返してもらいましょう」

「お前。悪い顔をするようになったな」

「そういう、あなたも、同じ位悪い貌ですよ?」

「フフフ」

「はっはっは」



「えっと…。大婆様に会いたいってのは」

「マルセル・ボネと」

「シシリー・マウセンです。お久しぶりねぇ。狐族のお嬢さん」

「こ…こんにちは。シシリー様」

「あらあら、様だなんて。しらない仲じゃないじゃない?ね。シシリーおばぁちゃんでいいのよ?」

 確かに毎年、王国の都市間交流戦に参加し、シシリーの顔は見知っている。

 しかし、知り合いなだけだ。

 だが、シシリーはそんなことを気にしてはいない。

「孫弟子」の友達と言う認識で、それに、他人と呼ぶにはすでに知りすぎていた。

「そんな呼び方、無理に決まってますよ。それに、ウェルデンベルグ様が来るって聞いてましたけど」

「総長様は王国を守る責務がある。そうそう、居無くなられてたまるものか」

 マルセル・ボネがいら立ったように言った。

「ボネったら。ぷりぷりしちゃって」

「ワシは、総長様の代行だ。文句あるまい」

「でも、シシリー様は…」

「私は、妖狐の貌を知る証人。ホントは雪乃が来るはずだったんだけど…。あの子今陣中にいるでしょう?それに、あの子が来たら妖狐との交渉は揉めてしまうもの。だから私がきたのよ」

 ウェルデンベルグと雪乃は力づくで妖狐を引っ張り出す算段だったのを、シシリーとボネが止めたのだ。きっとあの二人が来たら妖狐はへそを曲げるに決まっているとシシリーには分かっていたから。

「結界を通るためには一族『血』が必要。通らせてもらえば、あとの交渉はワシらがする。これは月狼国の皇帝の指示でもある」

「はい」

「そんなにしょげないで。少しお話するだけよ。なんにも心配いらないわ」

 シシリーは軽く笑って見せた

「そう言うことなら」

 リーファは頷いた。


 5


「お久しぶりね?大狐さん」

「ふん。随分と皺が増えたじゃあないか。かかか」

 広間の一段高いところに、大狐が、一段低いところにシシリーとマルセル・ボネが座って対面していた。

「貴方の方は、さすが妖狐。若いままねぇ。うらやましいわぁ」

 勿論そんなことは思っていない。姿を変えようと思えばシシリーはいくらでも若く、それこそ全盛期の十代後半の辺りで見かけを魔術の力で止めることもできる。

 あえて、そうしないのは、自分の今の姿に満足している。それだけのことだ。

「で?ウェルデンベルグの代行で来たんだろう?」

 話を切り出したのは大狐の方だった。

「ええ、北央の卓瞬から書状は言っているはず。内容は読んでいるわよね?」

「ああ、読んではいる。だが、ワシが戦線に加わる理由にはならんなぁ」

 ばっさりと大狐は結論した。

「あらそう?なら、巨砲にこの街が焼かれてしまってもいいというのね?」

「そうなれば、その弾を防げばいいだけではないか?ワシの結界がそうやすやすと破れるとはおもわんがな」

「そうかしら?大砲の弾は相当大きくて、ものすごい速さで飛んでくるわ?一発、二発なら結界でどうとでもなるでしょうけど。あっちは火薬の続く限り打ち続けてくるはず。おまけに機械だから疲れるということはないわねぇ」

 シシリーの理論に大狐は黙って耳を澄ましていた。が

「そういえば、お前の孫弟子が戦線に参加しているそうじゃないか?」

「ええ。参加していますよ?それが何か」

「死なれてしまっては困ると、言えばいいではないか? 力を貸してくれと頭を下げて膝をついて頼むなら力を貸してやらんでもないがな。かっか」

「余り調子に乗らない事よ? 大狐」

 シシリーはこの時初めてゆっくりと声を少し低くして、大狐に警告した。

 場に緊張感が走る。

 大狐は犬歯をむき出して笑って見せた。

「頭を下げろ?状況はひっ迫しているというのに、そんなことが必要なの?何なら力づくで言うことを聞かせてもいいのだけれど?」

「おぃ。シシリー」

 ボネが割って入ろうとした、が。

「黙ってなさい。この狐はまだ自国の置かれた状況が分かっていないみたい。ぐずぐずしていたら、焦土と化すのは間違いなく、王国と月狼国だというのに、この狐は対面を重視しようとしている。頭を下げるくらいならいくらでもしてやりますよ?でも――――動く気がないのに、相手の出方を見て、愉悦に浸ろうなどとそんな場合ではないのです」

「それは――――そうだが」

「もう一度聞きますよ?狐。私が頭を下げたら協力するのですね?」

「下られるのか?、べったりと床に伏して頼み込まねば行かんがな」

「ボネ?聞きましたね?」

「ああ。聞いた。聞いたが――――念の為に拘束術式でもかけるか?」

「いいえ。そんなもの要るもんですか。では」

 シシリーは横すわりの体制から、正座へと体制を直した。

 すう――――と息を吸うと、

 頭を床にこすりつけ、そのまま、

「大狐様。どうか、お願いします。私たちに力をお貸しください」

 と言った。

 驚いたのは大狐である。てっきり、力業で組み伏せに来るものだと思っていたが、その予想は外れた。ここで、大狐が「協力しない」と言うのは言をたがえることになるし、おのれの矜持プライドが許さない。

「―――――はぁ。つまらん」

 大狐はつまらなそうに、本当につまらなそうに、声を上げた。

「もういい。頭を上げい」

 身を起こすと大狐が段を折りて、シシリーの近くまで寄ってきていた。

「まさか、そこまでの覚悟とはな。よほど、その大砲が脅威と見える」

「ええ。くだらない矜持など誇示している場合ではありませんよ」

「しかたない。アトリストへ渡ろう。じゃが、やるのは兵を城壁内まで転移させるところまでじゃ。もちろん、シシリー主にも協力してもらうぞ」

「もとより、そのつもりですよ」

 シシリーは決意を新たにして見せた。

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