◆Middle10◆夜の闇に響く音色

 菫とクロウが、塔の警備員と話をしている頃……ルインとフジヤマは、塔から大きく離れた場所に位置する第七校舎にたどり着いていた。

 副会長ヒルダがここで待っている―――そのはずだった。


GM:では、菫たちが実験塔にたどり着いたその頃……ということで、副会長と会うシーンをやろうか。フジヤマとルインは、副会長の指定した待ち合わせ場所、第七校舎の裏側までやって来たところだ。さすがに夜ということもあってか、周囲に人の気配はない。

フジヤマ:あれ? 副会長はまだ来てない……? ふーむ、少し待ちマショウか。

ルイン:そうだな、我々には待つことしかできない。……これはもしかして、呼び出しはダミーという線が現実味を……(笑)。

クロウ:でもこっちにも副会長、来なかったぞ。

GM:うひひ。ふたりは、ひたすら副会長を待った。ところが、一〇分が過ぎ、二〇分が経ち―――三〇分が経過しても、副会長は現われる気配を見せない。

フジヤマ:……妙デスね。あの副会長さんの性格からすると、ちょっと想像できないデス。

ルイン:あの娘が連絡もなしに遅れてくるなど、考えにくいな。

フジヤマ:それデスよ! ルインさん、副会長からメールとか来てマセン?(一同爆笑)

ルイン:残念ながら、スマホを持ってるのは菫だ。

フジヤマ:本当だ―――っ!!(笑)

菫:こっちには連絡ないよ?(笑)

フジヤマ:ほう! それでは、菫さんが副会長に連絡を入れておくべきだと思うのデス! あくまで思いつきで! あくまで自発的に……っ!(笑)

菫:は! 突然だけど、副会長にメールを入れた方がいい気がしてきた! 自発的に!(笑)

GM:なんだこの茶番(笑)。でも面白いから菫がメールを打ったことにしようか。では、いくら待っても姿を現わさない副会長にじれて、フジヤマとルインは一度、菫たちとの合流を考えた……その時だ。静謐に満ちた深い夜の闇のどこかで、ふいに無機質なオルゴール音が響き始めた―――(と、メロディを口ずさむ)。

菫:やだやだっ、演出怖いよっ!?

ルイン:『着信アリ』じゃねえかっ!? 死の着信音! 懐かしいわ!(笑)

フジヤマ:な、なんの音デショ? 探してみマスか!

GM:探すまでもない。その音……おそらくスマホの着信音は、目線のすぐ先にある茂みの中から聞こえてくるとわかる。そして―――見つけた。

フジヤマ:ミーはなにを見つけてしまったのっ!? ぺちゃ、となんか暖かい液体を踏んじゃったり、つまずいたりしちゃったのォっ!?(笑)

GM:いいねぇ、その演出! では闇の中、ふたりが音の発信源を探して歩いていると……先に立って歩いていたフジヤマは、なにかに足を取られてつまずいた。

フジヤマ:痛っ! 転んじゃったデスよ! 誰デスか、こんなところに物を置いたのは! 危ないじゃないデスか!

GM:だが、それに対する返事はない。

フジヤマ:ま、まあ? ものが返事したら困りマスし? そもそもミーたち以外は誰もいないらしいデスし……返事があったら怖いデスよ。それで、なにが落ちてたのデショウ?

GM:キミがつまずいた辺り―――藪からなにか棒のようなものが突きだしているのがわかる。どこかなまめかしく白いそれは、闇の中で浮かび上がり―――。

フジヤマ:なんデスかもう! こんなものをここに置くなん……ぼ、棒?(一同爆笑)


 おそるおそる、フジヤマは“それ”を確認する。

 細長い棒状のものが二本、不自然な形で茂みの中より突きだしていた。

 闇にぼんやりと白く浮かび上がる“それ”は―――……


 人間の少女の、足だった。


菫&フジヤマ:ひっ、ひいぃ―――っ!?(一同爆笑)

GM:ちょっと待て、なんで菫まで驚いてるんだ。

菫:わ、わたし怖いのダメだって言ったじゃないですかあっ!?

フジヤマ:ひっ、人の足ぃ!? な、ななななんでこんなところにぃっ!?

GM:転んだキミがふと手を見ると、ぬるついた赤黒い液体がべったりと付着している。

フジヤマ:ひっ! ひいぃ~っ!?(笑)

ルイン:フジヤマくん、どうした……あっ!? あああ―――っ!?(一同大爆笑)

フジヤマ:ノ―――ッ!? ミーじゃない!! 来たら倒れてたのデス!!(笑)

GM:茂みの中に倒れているのは……そう、副会長ヒルダだ。だが、かろうじて息はある。


挿絵↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。イラストを閲覧できます)

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou/22illust07.jpg


ルイン:キミが黒幕とか疑ってすすすすまん……っ! 容疑者かと思って会いに行ったら、殺されてる! なんだこの『火曜サスペンス劇場』『土曜ワイド劇場』的展開はっ!?(笑)

フジヤマ:死んでないデス!(笑) しかしいったい誰がこんなひどいことを!

ルイン:とにかく、急いで手当てをしなければ! 《ヒール》をかけてあげよう。

GM:OK、身体的外傷は治療できたことにしよう。ただし、意識は取り戻さない。

フジヤマ:そ、そうだ、凶器、凶器はないんデスか!?

GM:少なくとも、周囲にそれらしきものはない。フジヤマは【感知】の判定に成功しているから、凶器が持ち去られた様子もないことはわかるな。

フジヤマ:だとすると、考えられるのは……落下?

ルイン:そういえば、校舎裏だったな。とすると、屋上から突き落とされたのか……?

フジヤマ:藪がクッションになって助かったのデショウか。あと一歩遅かったらどうなっていたことやら……一応、校舎を見てみマスが……誰もいない?

GM:誰もいないね(笑)。眼前には、巨大な校舎がシルエットとなってそびえるのみだ。

ルイン:とにかくこれはあくまで応急手当て。医務の先生に見せないと。

フジヤマ:誰かを呼ぶ!? 連絡手段は!?

ルイン:ない!(一同爆笑)

フジヤマ:は! 副会長の端末を借りて、塔に向かったふたりに連絡を入れマショウ! 「てぇへんだ!」とおふたりに事情を説明しマス。

クロウ:きっと俺たち、三杯目のお茶を飲みきって、警備員さんの若い頃の話を聞かされまくっていたところだ(一同爆笑)。

菫:う、うん。だんだん間が持たなくなってきた!(笑)

ルイン:いかん、ふたりを待っている余裕はなさそうだ。それでは、彼女は私が運ぼう……と言いたいのだが、【筋力】が低くてきっと持てない―――っ!(一同爆笑)

フジヤマ:そういえばそうだった!(笑)しかたがない、一緒に運びマスよ……!

GM:……と、ふたりが重傷のヒルダを抱え、この場を去ったところでシーンは終了だ!

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