◆Middle05◆隠されていたもの

 誰しも、人には明かせぬ秘密がある。

 隠せば隠そうとするほど、露見した時の衝撃は大きい。

 致命傷になりかねない、生徒会長・五行清秋の秘密とは―――。


GM:さて。次のシーンに入ろ……。

クロウ:あ、ちょっと一度、全員で集まって相談したい。

GM:OK。では……一旦、合流して情報交換しようか。舞台は寮の一室で、全員登場だ。

菫:あと、相談もしよう!

GM:「それで? なにか面白いことはわかった? ひっく」エレイン先生が聞いた。

フジヤマ:また先生が飲んでるんデスけど!?(笑)

クロウ:とりあえず、かくかくしかじかと、情報交換してしまおう。

GM:「え? つまり生徒会長を脅……説得できる証拠品は押さえられなかったの?」

菫:ええ、はい……なんか持ち出されたあとだったみたいで。

フジヤマ:こっちの情報は……生徒会長には所在不明の空白の時間があったくらいデス。

菫:……もしかしてその空白の時間帯に荷物をどこかに運んだ? ちょっと、寮長さんにメールを送ってみます。その空白の時間帯……三日前の夜、なにか気づいたことないか。

GM:返事はメール送って三〇秒で届いた。「……三日前の夜? その時間、俺は寮にいたが、五行とは会っていない。だが、寮のどこかでがさがさと物音がしていた」

ルイン:ビンゴだな。深夜、空き部屋に隠してあったブツを、どこかに運んだのだな。

クロウ:よし、次は副会長のヒルダを頼ろう。「生徒会長の身の潔白を証明するために、調べさせてもらいたいことがある。来てほしい」ってメールを送ればきっと応じてくれ……。

GM:「私は、どこへ行けばいい」二秒で返事が返ってきた。

一同:早っ!?

菫:じゃあ、返信。図書館で待ち合わせます!

GM:OK。キミたちは図書館に向かった。彼女を捜してきょきょろ見回していると、人影のない方から副会長が姿を現わす。「―――こっち。それで、なにかわかったの?」

ルイン:うむ。生徒会長は、学生寮の空き部屋を倉庫として私的に使っていたようだ。本来ならそこに、彼の身の潔白を証明できる品があったはずなのだが……キミが教えてくれた時刻、会長が持ち出したらしい。おそらく、どこかに隠したのではないかと。

GM:「隠す? 深夜に?」彼女は、少し思案してのち……つぶやく。「もしかして」

フジヤマ:ドゥーユーノウ?

GM:「……わざわざ寮の部屋を一室、まるまる使っていたということは大量の荷物である可能性が高い。それをどこかに……それも人目につかない場所に隠したとすれば……」

菫:でもこの広い学校内……隠す場所なんていくらでもありそう。

クロウ:いや、大量の荷物を安全に隠せる場所となれば、そうはないだろう。おそらく生徒会長の権限で使える場所だ。そこに絞って空白の時間の入室記録とか調べられないか?

GM:「……それなら絞り込めるかもしれない」

クロウ:かもしれない、じゃ困る。お前も……知りたくはないか?

GM:「あなたも、ゲスね」そう言いつつ……彼女はカッと目を見開き、近くに設置されていた共用パソコンのキーボードを、恐るべき速度で叩き始めた。「……見つけた」

一同:早っ!!(笑)

GM:「……空白の時間に、入室記録を確認できた部屋がある。今は使われていない、生徒会の旧倉庫―――ついてきて」

菫:行きます!(笑)

GM:OK。たどり着いた先は、校舎の隅にある一室だった。「この部屋の鍵は、会長と私だけが持ってる。……今、開ける」入室して見回せば……そこは無数の棚が置かれた埃っぽい部屋。棚には、書類が整然と並べられている。「……まちがいない。三日前に入室記録がある。巧妙に削除してあるけど……このIDは生徒会長」

ルイン:会長がここになにかを隠したのはまちがいなさそうだ。とりあえず、調べてみるか。

菫:じゃあ、人が入って埃が薄くなってるであろう場所を念入りに探す! ずっと使われていない部屋なら、人の痕跡……見つけられますよね?


 この発言により、難易度12の【感知】判定は、難易度10まで下げられた。

 菫はこの判定に成功。長く使われていない埃だらけの部屋……その床や書棚の一部に、たしかに最近、人が触れたであろう痕跡を見つける。


菫:ここ、なにかあるみたい……。

GM:菫がみつけた書棚に刺さっていた本……それはダミーだ。そこを押し込むと、書棚全体が軋みながら動き……奥に隠し倉庫が現われる。鍵らしきものは掛かっていないな。そこから出てきたのは……大量の写真だ。もちろん、ガートルードのね。

一同:会長―――っ!(笑)

クロウ:……え、これだけ? 生徒会長がダンジョンのスイッチを入れた犯人という証拠でもあるのかと思った。たしかにバレれば恥ずかしいだろうが、生徒会長を口説き落とす交渉材料にもならないような。これが会長のものだと証明できないし。

GM:うむ。ただ、写真と一緒に……一緒に一冊の日記を見つけた。

一同:日記?

GM:そこには、生徒会長の筆跡で、ガートルードを讃えるポエムがびっちり書かれていた。「……ああ、紅き髪の君よ。それは野に咲く薔薇よりも紅く、そして愛を語りかける。僕はその香りに惑わされた、蝶の如く儚く―――」

一同:会長――――――っ!(大爆笑)

クロウ:やべえ、これは言い逃れできない! 青春時代の黒歴史すぎるっ!(笑)

GM:「……なにを騒いでいるの」クロウの背後から、副会長が声を掛けた。

クロウ:これは副会長には見せられない! さっ、と隠す!(笑) 

GM:(笑)。ただ彼女は、クロウの肩越しに写真の山を見て、明らかに不機嫌な顔になる。

クロウ:いやあ、思春期の男の子にはよくはることだよ、うん!(笑)

GM:「……それより、こんなものが」と、彼女は手にしたタブレットの画面を見せる。

菫:ん? これは?

GM:「サーバーにハッキングをかけたら、見つかった。ダンジョンの制御ログ」そこにはダンジョンのナイトメアモードを起動した、ある人物のIDが記録されていた。

菫:え、もしや……?

GM:彼女は、こくりと頷きながら言った。「巧妙に隠されていたけど……」


「―――このIDは、生徒会長のものよ」

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