OPENING PHASE

◆Opening01◆攻略目標は眼鏡

 友を探して救うこと―――それを成すために、クリアすべきハードルがあった。

 結城菫の眼前で眼鏡をくいくい動かす生徒会長、五行清秋。

 まずはこいつをなんとかしなければ……四人は、確信するのであった。


GM:オープニングフェイズの1シーン目……まずは現代地球人組のシーンとなる。舞台は理事長室。今、部屋の中には、キミたちの他にサクラバ理事長、エレイン先生、ガートルード、そして……眼鏡の生徒会長、五行清秋がいた。

クロウ:ああ、外出許可の交渉に来たんだな。

GM:そのとおり。そんなふたりに、生徒会長は眼鏡を指先で押し上げつつ、きっぱりと言い切る。「ダメだダメだダメだ!! キミらに外出許可は出せない!」

菫:いきなりそこからっ!?

クロウ:待てよ生徒会長。俺らちゃんと試験をクリアしただろ! 約束を守れ!

GM:「低レベル冒険者用のダンジョンを突破できた程度で、いい気になるんじゃない」

クロウ:後出しー、後出しー(笑)。

GM:「そもそも、この街に来たら、大学から許可を受けるまで外出できないという基本ルールがある! 他の者たちのためにも、特例は認められない」

クロウ:しかし、この件には女性ひとりの生命が懸かっている。俺らもそう簡単に「はい、そうですか」と引き下がれない。

GM:食い下がるクロウに、生徒会長は冷たい目を向ける。「たしかに、その女性は心配だ。

だが、キミたちが捜索に出たところで、二重遭難になるのがオチだ。つまり……さらなる大事を招くだけ。それは認められない」

クロウ:俺たち以外の第三者を捜索に向かわせてるんだよな?

GM:「依然、捜索中だ。しかし、現状で手掛かりはない」

菫:二重遭難……別にわたしたちのことなんて、捜してくれなくていい(きっぱり)。

GM:「そういうわけにはいかない。この世界と我々との間でも、さまざまな協定や取り決めというものがある」

菫:ここはアーシアンの街なんでしょう!? あなたは誰の味方なの!?

GM:「この世界におけるすべてのアーシアンの味方だ。それを守るための生徒会であり、僕にはその義務がある! それは、キミたちのような新人たちにも適用されるのだ」

菫:じゃあ、前回のテストはなんだったの!

GM:「クリアはしたが、かろうじて……という感じだったではないか」

菫:ク、クロウくんがちょっとボロボロになっただけだよ。

GM:「そうは見えなかったぞ。ずいぶん苦労していただろう」

クロウ:(真剣な表情で)クロウが苦労した(一同爆笑)。

GM:生徒会長は一瞬、ぶっと噴き出しそうになってぐっと堪えた。

菫:でも、苦労したのはナイトメアモードのせいで……。

GM:「それに以前も話したはずだ。ナイトメアモードは、熟練者のために用意されたもので、勝手に起動したりはしない。そもそもあれの起動には、僕の権限が必要なのだ」

フジヤマ:ユーが犯人か――――――っ!!(一同爆笑)


 なお、エレイン先生は、菫たちに大いに同情的だった。

「あの、認めてあげてもいいのでは~? 私利私欲ではなく、友人のためですし~」

 そう口を挟むが、生徒会長は動じない。

「先生は口出しをしないでいただこう!」

 会長の断固たる言葉に、エレインは同意を求めるべくガートルードに視線を転じる。

「え、あ。エ、エレイン先生の言うことには一理あると……その……思います」

 ちらり、彼女はクロウたちを一瞥しながら、そう告げた。


クロウ:お? やっぱりこれはあれか!? 俺に気があるパターンと考えてよろしいか!

ルイン:ガートルード様が我々の味方なのはいいが、その態度はよろしくない!(笑)

GM:(笑)。とにかく生徒会長だけが首を縦に振らない。「ガートルードさん、お言葉ですがこの世界の常識を知らない現代地球人など、このエリンにとっては異物……病原体みたいなものです。これを野に解き放つわけにはいきません。……そう! 生徒の管理は、品行方正にして清廉潔白、誰からも尊敬され、生徒会長を二期務めるこの僕に権限がある!」

菫:また謎のアピールがっ!?

クロウ:反対しているのは生徒会長だけか。やっぱり、この眼鏡を攻略しないとダメだ。

GM:生徒会長はクロウを一瞥しつつ、困った表情でガートルードに訴えかける。「ガートルードさんは、なぜ彼らに甘いのですか? 聡明なあなたらしくもない」

ルイン:(いきなりガートルードになって)「いえ、甘くはありません。ただ、前回ちゃんと約束したのですから……」

GM:「僕は“一考する”と言っただけで“外出許可を出す”とは明言していません」

一同:ひで―――っ!(笑)

クロウ:(少し考えて)……なんか生徒会長、ガートルードだけには口調が柔らかいな。

GM:いぶかしげなクロウの視線に、生徒会長は取り繕うような表情をしてのちに宣言する。「おほん! 外へ行きたいのであれば、僕を納得させられるだけの材料を持ってきていただこう! でなければ外出は認められない! 話は以上! 下がりたまえ」


       *   *   *


GM:こうして、生徒会長の一方的な宣言で話し合いは終わり、四人は部屋を追い出された。

菫:……外出許可に関しては、さっきの話のとおり五行さんが決定権を持つんですよね? エレイン先生の口添えも効果がないみたいですけど……。

GM:うむ。この件に関しては生徒会長が最終的な責任者だ。たとえ理事長でも、生徒会長の同意なしに外出許可を出すのは難しい。

クロウ:でも、納得させられる材料ってなんだ。なにを持って行っても否定されて終わるような気しかしない。

GM:その言葉に、エレイン先生がほがらかに黒い笑みを浮かべた。

一同:ほがらかに黒いっ!?

GM:「生徒会長はキレ者だけど、頭が固いですねえ~。でも、納得させられるものを持って行くのは、難しくはないかと~」

クロウ:と言うと?

GM:「品行方正な彼にも、弱みのひとつやふたつがあると思いませんか?」

一同:先生――――――っ!(笑)

フジヤマ:つまり弱みを握……いやいや、会長が心よく首を縦に振ってくれそうななにかがあり、それを手に入れればイイと……っ!(笑)

GM:「ただ、彼の個人情報は、秘密のベールに包まれているのよねえ。もっとも、人を寄せ付けない彼にも、親しい人はいる―――」

クロウ:黒い、すげえ黒いぜ先生! で、あいつの親しい人って誰だ?

GM:「親しいのは生徒会副会長とか、寮で同室の生徒さんとか、その辺かしらねえ?」

菫:でも、いいの? そんな人のプライベートを暴くような……(笑)。

GM:(最高の笑顔)

菫:なんか、GMの表情が不穏です……っ!(←超失礼である)

クロウ:わ、我々の行動には人命が懸かっている! 多少のことは仕方ない!

フジヤマ:勇者は勝手にベッドとかタンスとか調べてもいいんデス!(笑)

菫:わかりました! 暴きます!

GM:では、先生からすてきな助言をもらったところでシーンを切ろう!

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