おばあさまのつのぶえ
私は長い旅に出ます。
女の子の一人旅はあぶないと村のみんなは言うけれど、私はこの目で世界を見たいのです。
そんな私に、ただ一人の理解者であるおばあさまが小さなつのぶえを渡してくれました。
「お前が危機に陥った時は、その笛を吹くとよい。このばばが助けてやろう」
「まあ、おばあさまが?」
「そうじゃ。その笛を吹けばどこにいようとも、たちまち、ばばの『がんばれー』という声が空よりそなたに届くであろう」
そう言ってニッコリと笑うおばあさまに私は、
「そんなもんクソの役にも立たねーよ」
とは、やはり言えないのでした。
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