第4話 パーティーナイト

この街の中でサイレンとテレビが響き渡る。

聞いているとなにやら俺がこの場所にいる、ということの放送らしい。

恐らく知事が何かみんなに報奨金出すとか何とか言ってやる気にしたのだろう。


そのサイレンが鳴り終わった後、辺りは一瞬だけ静粛と化した。

まるでこちらの様子を伺っているかのように360度見られている気がした。

俺が目を逸らしたほんの瞬間、その静粛が終わったのだった。


「うおおおおお!」


隙を待っていたかのように数十人いる軍隊がこちらへ走ってくる。

全員が雄叫びを上げ殺意という悪魔に憑依されるがままに。


「お前ら今夜はパーティーだ!」


軍隊によるパーティーのメインディッシュはどうやら俺のようだ。

先ほど奪った銃を手にし、戦闘の準備をすすみはじめる。


「あいつをやればこっちは報奨金が出る、そのためにも命懸けで殺すんだ!」


さっきからみんなの興奮を高めている頭おかしいやつがリーダーのようで彼が指す指先はこちらを向いている


「やれぇ!」


号令したがままに部下はこちらへとやってくる。

何を言っても通じないだろう、こちらの声は聞こえてないようだ。


「信条の都市の正体がわかったよ。余りにもカオスな都市だってな!」


俺は銃を構え、襲いかかる奴らの頭を狙い発砲する。

1人、2人と減らしていく。


「後ろに1人っと。」


後ろの気配には最初から勘付いており、アクロバティックに避けながら最後には空中バク転をし続け1人をヘッドショット。

軍隊はバタバタと倒れていく。

数十人いた部下たちは遂に1人と減ったのだ。


こいつも腰が抜けていても、逃げたいがために後ろへ引く。

だが俺はそれも見逃さない。

すばやく場所に来るとそいつは助けて、と何回も呟く。

少々呆れたがそいつの頭を殴り気絶をさせた。


「最初に襲ってきたのはどっちだよ、ったく。」


彼を気絶させた後頭おかしいやつリーダーを探すと、彼はここから逃げた様子でこの場所にはいなかった。

どうやらある意味、東京滅亡へのパーティーは始まったばかりだったようだ。

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