第3話 問題は付きもの
この場所は政府や警察、犯罪者などがいる大通り。
俺は一応東京に出入りは出来るんだが、政府からにはブラックリスト扱いを受けているのである意味有名人だ。
ブラックリストに入っているが犯罪者ってわけじゃない。
聞いた話によると俺はどちらの味方でもないので政府からも犯罪者たちにも言わば要注意人物扱いなのらしい。
ひどい話だ。
なにせ俺は仕事の為にやっているだけなのだから。
それだけで恨まれる必要もないって話なんだ。
俺は内ポケットに入れておいた煙草を取り出し、一本に火をつけた。
「ふぅ…」
これだけで少しは幸せな気持ちになる。
そんなことをわかってくれる人はほんの一部だけなのだから。
煙草をくわえ歩きながら周辺を見回す。
見回しているとこの先に何かショーをやっているのがわかった。
俺は地図を見て少し棒立ちしてしまった。
「まじかよ。」
ショーがやっているところは渋谷へ続くたった1つの一本道。
他にもないのか、と思ったがここしかないようだ。
俺は一本道の場所へと歩き始め、司会者にばれぬようにと早歩きで行く。
少々面倒くさがりなので、あまりショーなどには関わりたくない。
が、無理だった。
俺は司会者に指名され、ここに留まってしまった。
歩く人になんて声をかけるのか、と少し疑問に思ったがはやく終わらすためにも自分の役目を果たしていく。
どうやらクジ引きだったようで俺は40番を引いた。
当たらないように、当たらないようにと願うばかり。
それも無理だったのにも関わらず
こんなにも偶然が重なっているのはおかしい。
だが当たってしまった。
「お兄さんおめでとう!
今からプレゼントをご用意しますね。」
司会者はプレゼントを用意し始めた。
しかしたくさんの人がいるのにそんなに当たるものだろうか。
当たった番号は40番。
もしかして40番ってこういう意味か?
もしかしてこいつらは。
「お兄さんとっておきのプレゼントだよ?」
確信を得たときは少し遅かったようだ。
目の前の司会者はあの時見た黒い人影の笑いに似ていた。
複数人は銃を取り出し、そして狙う視線は俺の頭へと向けられた。
人数はあいつ含めないで5人。
「何の真似だ?」
司会者に質問をするも、返ってくる答えはただの沈黙。
「そうか、答えないならこっちだって異議を唱える。」
俺は一人の銃を奪い、次々と近接戦闘でなぎ倒していく。
あと2人…あと1人と少なくなる。
最後の1人は一本背負いを決め、全員K.O状態となった。
まったく困るもんだぜ。
俺は完全に腰抜けた状態の元司会者ギャング君に挨拶という名の尋問を行った。
「おい、誰に命令された?」
元司会者に尋ねてみると、答えは意外なものだった。
「東京の知事だ。」
東京の知事がみんなに出した命令は俺を殺せとのことらしい。
そんなのが知事になっていいのだろうか、と少々疑問になっていた。
「まったくトラブルはいつも付き物だな。」
問題しかないこの都市でどうやら安全にやることは無理な条件らしい。
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