異世界ラジオのつくりかた ~千客万来放送局~

作者 南澤まひろ

ヒロインがあまりに可愛いのでラジオを聴きたくなりました(ぇ

  • ★★★ Excellent!!!

久しぶりにラジオを聴きたくなった。
なんて言えばいかにも作者の思惑通りで、ちょっと悔しい。
でも、今作を読んで自分みたいな反応をする人はきっと少なくないはずだ。
何故なら異世界からやってきたルティの反応があまりにも可愛すぎるッ!
え、意味が分からない?
ならば今作を読むべきだ。読めば分かる。
ラジオという現代社会に生きる自分たちにとっては当たり前の文化に初めて触れ、純真にその魅力に惹かれるルティの姿に、なんだか自分もラジオを聴いてみたくなること請け合いだ。

それにしても作者はうまいことやったなと感心する。
もし仮にこれがラジオ好きな学生が自分たちの番組を面白おかしく放送するだけの話なら、こうもいかなかっただろう。せいぜい「その番組面白そうだなー」「ラジオ番組制作って楽しそうだなー」程度だったと思う。
しかしそこに初めてラジオに触れる異世界ヒロインを付け加えることで、その魅力をマニアックでも懐古主義でもなく、まるでおもちゃに夢中になる子供のような純粋さで読者に伝えてくる。
この手の小説は読者に題材の魅力を感じさせたら勝ちだけれど、今作は間違いなくその勝ち方を知っている作品である。

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