第22話 二十杯目✿情報屋の角田

 〜情報屋の角田の視点〜


 拙者は【ホ◯】である。


 名は【角田】と申します。

 髪型は角刈り。


 そして、元陸自の情報科でもあり、現在は、新宿のマンションの一室で、細々と、【情報屋】を営んでいるのでござる。


 拙者も、昔はガチムチの、ナイスガイであったのだが、今はただのデブである。

 除隊してからというもの、チキンばかり食していたための結果でござる。

 情けないでござる。


 昔は、アイドルやアニメが好きな年頃の学生であった。

 しかし、ほぼ引きこもりの拙者を、ぱぱうえ様が、無理矢理、厳しい自衛官の道へと引きずり込んだのである。


 学校は全寮制で、先輩関係も厳しい物だったのである。

 なんでもかんでも連帯責任で、いつもみんなでしごかれたのも懐かしい。


 教育とは恐ろしいでござる。

 気がつけば、すっかりガチムチになっていたでござる。


 いつしか拙者は、アイドルやアニメよりも、筋肉ばかりが気になっていたのでござる。

 他人の筋肉に嫉妬して、己の筋肉を鍛え、いつしか男子のことが好きになってしまい、しかも、両思いであった事もかさなって、すっかりとしあがってしまったのでござる。


 そんな拙者は、上官にガチムチ楽園を追い出されてからは、家にも帰れず、ただこのジャングルをさまよっていたのでござる。

 そして、みつけたのでござる!この聖地を!


 ピンポーン


 おっと、お客人でござる。

 しばし、またれよ。


「おーい。角田。いるか?

 チキンかってきたぞ」

 聞き慣れた声がした。


「これはこれは!

 なんと風森氏に岩本氏でないか!

 ずいぶんと懐かしい。

 さあ!どうぞおあがりください」


「おじゃまします」


 なつかしい友に合えて拙者、よだれがたれそうでござる。


「実はな、金城のおっさんに仕事頼まれてな、ちょいと調べてほしくてきたんだ。

 ほらチキン食えよ」


「かたじけない!遠慮なく。

 それにしてもなつかしいですな!

 絢殿も元気でござるか?」


「ああ、元気にしてたぞ。

 ハルちゃんは婚約までして逃げられたけどな」


「んな昔のことはもういいんだよ。

 それより仕事の話だ」


「金城殿が君たちを寄越すとなると、

 今回は、あっち関係でござるな」


「正〜〜解。

 さすが角田ちゃんはあたまがいい」ニコ


 うほっ!!まぶしい!!

 このツヤツヤした肌はたまらん!!


「ん!!それで?

 調べて欲しい事はなんでござる?」


「ここ最近の不振な事件、おもに健康なのに心臓発作で死んだとされるものもふくめて、あと呪いなんかを請け負っている、怪しい業者がいないか。

 現状はこの二つだね」


「たやすい御用でござる。

 それにしても、電話かメールでもよかったのでは?」


「おまえ、チキンすきだろ?

 電話じゃくえないしな」


 うほっ!!!

 なんとやさしいナイスガイたちなのだ!

 これは本気でやらなければ!!


「しばし待たれよ!

 すぐに調べるでござるよ!!」


 2時間で有力な情報がでてきたでござる。


「インチキ臭いサイトなどはたくさんあって、信用ならないものばかりでござるが、この三ヶ月で、原因不明な心臓発作で死んだものが多いでござる。

 表にでているものでも30件はこえている、これは異常でござるな。それと、呪物を販売している者がいるようでござる。

 学校の裏サイト、都市伝説の掲示板でざわついてるようでござる。

 なんでも、新宿の南口に、たまにあらわれる若い占い師だそうで」


「うそくせー!!!!

 もっと悪の組織とかでてこんかい!!」


「占い師ね。ありがとう。

 一応あたってみるよ。

 お金は、金城さんにいっとくから」


「まあ鬼とかでてきたらやばかったからね。

 クロウさんにでも切ってもらうしかないからな」


「クロウ殿とは?」


「まあ……ネコだな」


「うほ!!」


 拙者は情報屋。


 ネコが好きなのでござる。

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