第二部 コンサル部大ピンチ? 敵は生徒会にあり

第一章 コンサル部を粛清します

第38話 文化部の大粛清を行います!

 「我々生徒会は、文化部の大粛清を行いますっ!」


 開口一番、体育館の壇上に立った女子生徒が声高らかに宣言した。

 唐突に告げられた言葉に、体育館へ集められたあおい学園の生徒達は一同騒然。


 梅雨も開けた七月の最初の月曜日、今日は月に一度の全校朝会がある日だった。

 総勢千名を超える生徒が一堂に会していること。

 女子生徒の話が始まる前に校長先生の有り難い話が三十分以上続いたこと。

 加えて夏の到来を思わせるこの暑さで僕も額に汗を掻く。


 訂正。

 僕が汗を掻いているのは、何も暑さのせいだけではない。


 「あ、あの人は……」


 壇上には紺学園の夏服である半袖の白いブラウスに、こちらも夏用のピンクのスカートと黒色のニーソックスに身を包んだ小柄の女の子。

 身長は150センチもないくらいだろうか。


 肩までかかるツインテールにセットされている髪は金色。

 つり目で睨みを効かせ、右手をマイクに持ったまま話を続ける。


 「昨今、所謂いわゆる文化部が増えすぎていることを皆さんはご存知ですか?」


 僕は、壇上に立つ女子生徒の顔に見覚えがあった。


 「運動部が二十に対して文化部が五十一。実に運動部の倍以上の数がありながら、その半数以上が五名以下という小規模なもの。そのなかには類似の部活が数多も存在し、おまけに昨年からは十五以上もの部活が新設されているのです!」


 この距離からはさすがに瞳の色までは確認できないが、恐らく琥珀色だろう。


 「と・く・に! コンサルタント部などという部活は、本来生徒会で執り行うべき活動を、あろうことか報酬をもらって受け持っているというではないですか! そんなことは断じて許せませんっ!」


 その女子生徒が、コンサル部を目の敵にするように叫ぶ。

 反射的に隣にいる女の子の顔を見ると、同じく自分が所属する部活の名前を挙げられたせいで、口を開けたまま硬直している。


 「故に! ワタシは今ここで宣言します! コンサルタント部を始めとする、存在意義がない部活は――ワタシ達生徒会が粛清するということを!」


 僕が汗を掻いているのは、何も暑さのせいだけではない。


 コンサル部の粛清という言葉。

 そしてその言葉を放った彼女の姿によってもたらされた冷や汗でもあった。

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