四月第一週 土曜日 花見 開始

「「「乾杯!」」」

 その音頭が取られてからは、先ほどの険悪な気配などなかったかのように、花見は盛り上がりを見せた。理由は、先輩方が酔ったからだ。

 嫌な気分は飲んで忘れるに限るとは、ねーちゃんの談だ。

 だから俺は後発で新入生を迎えに行っていた小川先輩に先ほどの一幕を説明し、女の子たちにとにかく男の先輩方を酔わすようお願いしたのだ。

 それに混ざって、俺も近くに座っていた高橋先輩のプラスティックのコップに飲み物を注いでいる。今はとにかくお酌に集中して、大島さんのことを考えないようにしたかった。

 今日会えないかもしれないと思っていたところに、突然の再会。自分が今、平常心を保てているか自信がなかった。間違いなく動揺している。だからとにかく、今はお酌である。

「だぁからぁ、和っちぃ、聞いてるぅう?」

「はい。聞いてますよ。さ、どうぞ高橋先輩」

 何が『だから』なのか分からないが、俺は高橋先輩のコップにガンガンお酒を注いでいく。いつの間にか俺の呼び名も夏輝と同じ和っちになっており、高橋先輩はべろんべろんの状態だ。

「お、ありがとぅ。和っち注ぐのうまぃねぇ。でさぁ、俺はぁ東せぁんをすっげぅえ~そんけぇしてぃるわけよぅ。わかるぅ?」

 前振りなしで何か始まった。この人は酔っ払うと語りたがりになるようだ。

「そうなんですかー。藤井先輩の何がそんなにすごいんですかー? あ、空になりましたねー。どうぞどうぞー」

 めんどくさいと思いながらも、俺は適度に相槌を打つ。先輩というのもあるが、高橋先輩はどうやら今回の幹事を任されているらしく、ここで意識が飛ばれるといろいろまずい。藤井先輩と福良先輩のこともあるし、最後の締めの音頭も取ってもらわないといけないからだ。幹事がつぶれた飲み会は最悪だというのも、ねーちゃんの談だ。

 幹事である高橋先輩が今回の花見のキーマンだと睨んだ俺は、先輩の問いかけに棒読みで応えつつ、適度に酔い過ぎないようにコントロールしようとしていたのだが……。

 ちなみに、さっきから注いでいるのは、コンビニで買ってきたウーロン茶である。

 俺がウーロン茶を注いだことに気づかず、がはははっと笑う高橋先輩は明らかに酔いすぎている。

 ……ちょっと酔わせすぎたか? お酒に強そうなタイプだと思ったが、どうやら見誤ったようだ。

「きぃてぃくぅれるか~和っち! あぁずまざんはぁなぁ。どぅぉおっでもぉずごいんだぁ。わがぁるが?」

 全く分からないが、藤井先輩が凄いのはとりあえず分かったので、早くコップの中のウーロン茶を早く飲んで欲しい。頼むから。

「はいはいわかりますよー。藤井先輩のどんなところがすごいんですかー? ささ、高橋先輩。コップからあふれちゃうんで一気に飲んでください、一気にー」

 そう言って、俺はわざとコップになみなみ注ぐ。当然、このままだと高橋先輩の持っているコップから、ウーロン茶がビニールシートにこぼれてしまう。

 それを防ぐために、高橋先輩はウーロン茶を飲むしかないのだ! どうだ? 完璧な作戦だろ?

「あ~ずぅまざんわざぁ~。ざーくるのぐるぅぷをまとめでぃ、どぉおっでもぉずごいんだぁ。ずごぐなぁい?」

 藤井先輩を褒め称える高橋先輩のコップから、ウーロン茶がどばどばとシートに零れ落ちた。飲めよ!

 その後、高橋先輩は藤井先輩をべた褒めし、その度先輩のコップからウーロン茶がこぼれ、それを俺が箱ティッシュでにこやかにふき取る、という謎サイクルが出来上がっていた。箱ティッシュって、コンビにでも売ってるところは売ってるんだね。買ってきた人はものすごく優秀だ。

 しかし、どうして酔っ払いって、ウーロン茶だったり水だったり、酔いをさますための液体摂取を頑なに拒むのだろうか? 冷めたくないほど現実が辛いのだろうか?

 酔っ払った高橋先輩の話を統合すると、藤井先輩すごい、そしてその後を継ぐのはこの俺だ! 和っち俺について来い! そして俺のことは北斗さんでいいぞ! だそうだ。かなり日本語的に怪しかったが、何回も同じ話を聞いたのであっていると思う。

 それにしても、藤井先輩は『エル』では女性陣にかなり頼られているらしい。

 というのも、高橋先輩がウーロン茶を箱ティッシュが切れるほどこぼしたあたりで小川先輩が新しい箱ティッシュを持ってやってきて、他の女性陣も会話に参加し、藤井先輩の話題で持ちきりになったのだ。サークルをまとめるのも大変だろうが、後輩の教育にも熱心なのだそうだ。高橋先輩から聞いた話じゃないので、信憑性のある話だ。

 ちなみに、今高橋先輩はトイレに行っていない。目の前にトイレがあるため、酔っ払いが迷子にならないというのは助かった。この点は藤井先輩に感謝である。

 ……それにしても、藤井先輩女性陣から頼られすぎだろ。これがイケメンというハードのスペックの差なのか? 内面というソフトの部分ではどうしても埋められない性能差を実感し、泣きそうになる。藤井先輩だけを褒めている空気に居づらさを感じたのか、だんだんと男性陣が会話から抜けていく。その気持ちはすっごくわかりますよ、先輩方っ!

 でもその姿はイケメンに嫉妬する俺自身を見ているようで、少し嫌な気持ちになった。

 しかし藤井先輩を褒め称える話を聞いた本西さんの目が変わったのは、はっきり言ってショックだった。あの引っ込み思案な本西さんまで……。

 藤井先輩とは対照的に、福良先輩は女性陣にはあまり良く思われていないようだった。

 わがままな部分も目立ち、何故藤井先輩と付き合っているのかわからない、とのことらしい。逆に藤井先輩に可愛がられている高橋先輩は、かなり評価されていた。福良先輩に面と向かって物を言えるのは藤井先輩と高橋先輩だけのようだ。

 男性陣は男性陣であの美人に骨抜きにされているらしく、福良先輩には強く出られないらしい。その辺が、福良先輩のことを女性陣が快く思っていない理由なのだろう。

 高橋先輩が福良先輩に強く出れるのは実は二人が浮気しているからだという話も出たが、高橋先輩は藤井先輩をかなり慕っており、それはないだろ、と笑いが起きた。笑い話じゃなかった時のことを考えると、かなり怖い。

「ねぇみどりちゅわぁ~ん。ど~こ住んでんのぉ?」

「アドレスおしえてぃよ~」

「彼氏いるのぉ?」

「え、えぇっと……」

 笑いの隙間を縫って聞こえた声の方に意識を向けると、大島さんが酔った男性陣に絡まれているのが見えた。新入生ではダントツで可愛い大島さんに男集が群がるのも、無理はない。しかし、絡み方がちっとも下心を隠そうともしていない。

 これはどうなんだと周りを見回すも、藤井先輩の話が終わった途端女性陣は散り散りに。各々楽しそうに会話に花を咲かせている。

 ……おい。俺は今何を考えていた? ここは放っておいて……、でも待てよ。大島さんに絡んでるのって、女性陣が藤井先輩を褒め始めた時に、会話の輪から出て行った先輩達だよな?

 何で輪から出て行ったかというと、女性陣が藤井先輩が褒められまくって居づらくなった所為で、女性陣が来たのは小川先輩が俺に箱ティッシュを持ってきてくれたからだ。小川先輩が箱ティッシュを持ってきてくれたのは、高橋先輩がウーロン茶をこぼしたからで、高橋先輩は酔っていたからこぼしたのだ。酔っていたのは、俺に酔わされたからだ。

 ……え? 待って。これ俺の所為? 風が吹いて桶屋が儲かるならぬ、俺が高橋先輩にお酌したら、大島さんが絡まれちゃったのか? 何それっ!

 そもそも、大島さんのことを考えまいとしてお酌に精を出していたのに、結局俺は今大島さんのことを考えてしまっている。それに、俺の所為で大島さんが絡まれている可能性に思い至ってしまったのだ。ここまで考えて、なんだかんだで大島さんを助けるための理由を探している自分に気がつく。そんなもん探してるぐらいなら、とっとと助けろよ俺っ!

 俺は自分のスマホを取り出し、あるアプリを起動。設定を変更するために画面を指でなぞり、タップする。その直後、

「うわっ!」

「何これ?」

「うるせぇえぞ!」

「あ、すみません!」

 俺のスマホから聞こえた大音量の不快なビープ音に、サークルだけでなく周りの花見客も不平を漏らす。

 すかさず謝った俺に、何事かと視線が集まった。俺は大島さんを見つめる。

 ……さぁ食いつけ! 何でもいい。とにかく大島さんから会話が発せられれば、今後の話しの展開も進めやすい。さぁ!

「和っち! 一体何したんッスか?」

 夏輝が食いつくのかよっ!

 でも、ここで会話を止めるわけには行かない。ここで会話を止めたら、俺が今後『エル』で変人扱いされてしまう。そうなれば、恋人を作るという俺の計画が、全て水の泡だ。

 俺はがむしゃらになりながら、口を開く。

「すまん。Tw○tterからメッセージが届いてて」

「Tw○tter? でも、それが音と何の関係があるの?」

 遅ればせながら、大島さんが話に参加した。Tw○tterの単語に反応したところを見ると、Tw○tterユーザらしい。よしよし。いい流れになってきた。

「ああ。実は俺、自分でTw○tterのクライアント作っててさ。試しにいろんな機能を付けてるんだ」

 大島さんに、俺のスマホの画面を見せながらそう応える。俺が高校時代に取り組んでいた、スマホのアプリ開発が役に立った瞬間だった。俺の作ったTw○tterのクライアントアプリに、リプライが来た時の着信音を自由に設定できる機能がある。

 リプライがあった時にビープ音を出す設定にして、俺が『自分のアカウント』宛にリプライを送ったのだ。自作自演である。当然今はビープ音が出ないように、設定を変えてある。大島さんは、驚愕の表情。

 他の人からも反応があり、

「え、何? クライアントって」

「アプリのことじゃね?」

「ってことは、中嶋君アプリ作れるんだ?」

「何それ、マジすごくね!」

「あ、アタシあの機能欲しい!」

「ダウンロードできるの?」

「iPh○neでも使えるの?」

「最近使ってたTw○tterアプリがアップデートされて、使い勝手悪くなったんだよねー」

 あれよあれよという間に、会話が広がっていく。よし。もうナンパって雰囲気じゃないな。

「ええ。Andr○idでもiPh○neでも使えますよ。スマホのアプリストアで『Noisy myna』で検索かけてみてください。無料でダウンロードできますよ」

「マジで? すごくね!」

「えー、私もダウンロードする!」

「どうやるの? これ」

「和っちすごいッス!」

「ねぇねぇ、これであってる?」

 携帯がスマホで、Tw○tterをやっている人はやけに盛り上がっている。これを期に、Tw○tterをはじめようという声もちらほらと聞こえてきた。

 ……ふふふ。どんどんダウンロードしてください。無料とはいえ俺はアプリに広告を掲載しているから、ダウンロードしてもらえれば広告収入が俺に入るのだ! サークル全員がダウンロードしてくれれば、結構な数のダウンロード数が稼げるっ! ぐふふ。

 だが、和気あいあいとアプリをダウンロードし始めた人たちから、ちらほら不満が聞こえ始めた。

「あれ、全然ダウンロードはじまんねーんだけど!」

「あーん! 遅いー!」

「おい中嶋! 回線おせーんだけど!」

 どうやらスマホの通信速度が遅いらしく、ダウンロードがなかなか始まらないらしい。花見だから回線が混んでいるのだ。

 遅いのは俺に言われてもどうしようもない。各自、スマホを契約している通信事業者に文句を言ってください。

「あ、だったら自分、いいもの持ってるッス!」

 そう言って手を上げた夏輝は、自分のカバンからあるものを取り出した。

「モバイルルータッス!」

「何だそれ?」

「あ、それ知ってる! 通信量の制限もないんでしょ?」

「何で?」

「とにかく速くなるんだろ?」

「鈴木くーん。アクセスポイントの名前とパスワード教えてー!」

「ちょ、ちょっと待って欲しいッス!」

「へぇ~。そんなのあるんだ?」

 急に会話の中心が自分に移ってあたふたしている夏輝の背中に、酔って少し頬を赤らめた福良先輩がしだれかかる。福良先輩の豊満な胸は、つぶれながらもその存在感をありありと夏輝の背中で自己主張をしていることだろう。

 夏輝の顔が一瞬で朱に染まり、フリーズする。フリーズしている夏輝の手からモバイルルータをするりと引き抜き、福良先輩は興味深そうに眺めている。

「ふ~ん。こんなのあるんだ」

「ハ、ハイッス! 自分、ネットとかそんなにしないんで、下宿先にはネット回線引かずにモバイルルータだけで生活してるッス! だからモバイルルータの電源も、一回も切ったことがないッス!」

 テンパりながらも、聞かれていないことをしゃべる夏輝の話を聞きながら、なるほどと俺は一人で納得する。

 モバイルルータを使用するためにはスマホとは別途契約を結ばなくてはならないのだが、モバイルルータ一つでPCとスマホなど複数のデバイスを接続することができ、インターネット上のWebページの閲覧だけならこれ一つで事足りる。

俺はネットゲームでFirst Person shooter、FPSを嗜んだりしているため光回線じゃないと物足りないのだが、Web閲覧だけしかしないライトユーザの夏輝なら、確かにモバイルルータだけで十分なのだろう。

「南! 何やってんだ!」

 アプリの話に夢中になっていたサークルのメンバーに、怒号があびせかけられた。あびせたのは藤井先輩で、その怒れる視線の先には夏輝と、夏輝にもたれかかっていた福良先輩がいる。

 自分の彼女が他の男とイチャイチャしているのが気に入らないようで、大層ご立腹だ。

「モバイルルータなら俺も持ってるの知ってるだろう!」

「何よ。別にいいじゃない」

「何だと!」

「まぁまぁ、東さん押さえて押さえて。ね?」

 険悪な雰囲気に割って入ったのは、トイレから帰還した高橋先輩だった。

 どうやら酔いも残っていないようだ。頼もしすぎるぞ、北斗さん!

「またお前か北斗!」

「ほらほら、東君も北斗君を困らせないの! 東君のは私が使ってあげるからさ!」

「わ、私も」

 まだ収まりがつかない藤井先輩を、小川先輩と本西さん二人がかりでなだめる。

 その効果があってか、しぶしぶといった形だが藤井先輩も引き下がり、小川先輩と本西さんに自分のモバイルルータの情報を教え始めた。心なしか藤井先輩の頬が緩んでいるのは、気の所為ではないだろう。可愛い子に囲まれ、まさに両手に花といった感じだ。

 ……ただ、それでは福良先輩を責めれないと思いますよ? 藤井先輩。

 さて、またもやサークルの危機を救ったヒーロー北斗さんはというと、今度は夏輝にまとわり付いていた福良先輩を優しく引き離している所だった。大活躍である。

 福良先輩が離れた安堵感か、あからさまに夏輝は安心した顔をしていた。

「あんまりオイタをしちゃ、ダメって言ってるじゃないですか。南さん、わかってます?」

「は~い」

 夏輝から離れた福良先輩と、北斗さんの話し声が聞こえた。北斗さんは福良先輩の方に手を置いて話しかけ、それに甘えた声で福良先輩が答えている。

 ……あれ、北斗さんって福良先輩のこと名前で呼んでたっけ?

「おーい。つまみもうねーんだけど」

「あ、じゃあ俺買ってきますよ」

「じゃあこれで適当にお願いね!」

 酔った先輩、確か名前は星野 伸之(ほしの のぶゆき)と言っていた、の呼びかけに応じて俺は、もらった一万円札を片手にコンビニに向かった。歩きながらスマホで時計を確認すると、午後三時になろうとしていた。そろそろ花見もお開きになるだろう。

 コンビニに入りつつ、花見の終了時間を大体午後四時から四時三〇分だと見積もる。春先とはいえ、日が暮れるとまだ寒い。そこまで遅い時間にはならないはずだ。

 ……だったら、つまみもそこまで多くなくていいか。これから買っておいたほうがいいものを、頭の中でリストアップする。

 結構皆飲んでいたから、フリードリンクを多めにした方がいいかな? 北斗さんがこぼしたウーロン茶はとりあえず二L買うとして、女性も多かったから帰宅中にも飲めるよう五〇〇mlのペットボトルも何本か必要だ。種類は紅茶とお茶と、後は水でいいか。

 そこまで考えて、コンビニのドリンク売り場で足を止める。

 ……しまった! 考えながら移動してたから、入り口でカゴを取るのを忘れた。取りに戻らないと。

「きゃっ!」

「うわ!」

 急に進行方向を変えたので、人にぶつかってしまった!

「大丈夫ですか? って、」

「いたた。私は大丈夫。中嶋君は?」

「大島、さん?」

 ぶつかった相手は、大島さんだった。

 俺の心臓が縮み上がり、一瞬にして膨張。体の全身に、心臓から血液が送り出されているのを、ありありと感じる。

 でも、何で大島さんがここに?

「でも、何で大島さんがここに?」

 テンパり過ぎて、考えていたことがそのまま口から出た! 俺、今歩いたら右足と右手が同時に出る自信があるねっ!

「さっき、助けてくれたでしょ? だからそのお礼を言おうと思って」

「お礼って……?」

 それって、さっき先輩に絡まれてたことか? 気づいてたんだ……。

「いや! 別に大した事ないから!」

「うんうん。こういうの、大事だと思うから。ありがとう」

 その笑顔を見せられては、俺はこう言うしかない。

「……うん」

 ……しかし、さっきから俺の心臓は働きすぎだ。俺が生きてきた中で、ここまでお前働いたことないだろう。少し休め。過労死するぞ。いや、この場合、死因は心臓発作といった方がいいのか?

「それじゃ、何買って行こうか?」

「あ、ちょっと待って」

 惣菜が陳列されているされているコーナーに行こうとする大島さんを呼びとめ、俺は先ほどまで考えていた買っていった方がいいリストと、その根拠を伝えた。

「なるほど。でも、だったら甘いよ中嶋君」

 甘いって、何が? その疑問が顔に出ていたのか、大島さんがその答えを教えてくれる。

「女の子が来てるんだったら、やっぱりスイーツは外せないでしょっ!」

 ビシッと人差し指を立ててキメ顔をする大島さんを見て、俺は思わずふき出した。

「ちょっと、笑わないでよ! 重要なことだよ、これ!」

「いや、ごめんごめん。馬鹿にしたつもりはなくて」

「もういいもん! 私スイーツ何にするか決めてるから、中嶋君はジュース買ってきて!」

 大島さんはすねてスイーツコーナーへ行ってしまった。でも、しょうがないだろ?

 だって、大島さんが可愛すぎたんだから。

 カゴは大島さんが持っていってしまったため、俺は再度入り口までカゴを取りに戻った。

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