229話 リベカとフィルマン
「むふっ……もふっ……にゅふ~……っ!」
祭壇の前で、リベカが蹲って身悶えている。
この反応は間違いない。
とりあえず、気遣って声でもかけてやるか。
「リベカー、大丈夫かー」
「む、むぅ、だ、大丈夫じゃないのじゃっ」
半泣きな声でリベカが答える。
俺の方へは顔も向けない。
「し、心臓が……破裂しそうなのじゃ……っ!」
「なっ!? だ、大丈夫ですか、リベカさん!?」
「にゃふんっ!?」
フィルマンに声をかけられると、リベカの体がびくんと跳ねる。心臓、破裂したんじゃね?
「だ…………大丈夫……なの、じゃ…………ですわ」
なにそのちょっとしたお嬢様口調!?
自分をよく見せようとした結果?
盛大に失敗してるぞ、それ。
「あら、まぁ。こんなリベカ様は初めて見ますね」
バーサがゆっくりと近付いてくる。蹲るリベカを驚きの表情で見つめながら。
その背後に怨念……もとい、ソフィーがゆらりと付いてくる。
いやぁ、バーサ越しに見ると、ホント心霊だわ。画像でもアップすればネットが騒然としそうな絵面だな。
「リベカ、平気ですか?」
ソフィーが優しい声をかける。
「う…………うむ……平気、なのじゃ」
姉の声に、少しだけ落ち着きを取り戻す。
が、俯いて顔を隠したままのリベカは知らないだろう。
その優しい声を出した姉が、鬼の形相で微笑んでいることを。……怖ぇって。
「こちらの方が、噂のお相手なのですか?」
と、モーニングスター(鈍器)を握りしめて問いかけるソフィー。
ダメだ、リベカ! それに答えると、人が一人死ぬぞ!
「う…………うん」
照れたように小さく頷くリベカ。
なんとも少女チックで可愛らしいその動作で……一人の人生が幕を下ろした。
「って! させるかよ!」
モーニングスター(凶器)を振り上げるソフィーを押さえる。
危ない危ない……真顔で何やってんだ、こいつ?
「……はっ!? 私は、いつの間にこんなものを?」
無意識!?
え、無意識で!?
「妹の幸せのために、姉として出来ることをやろうと誓ったばかりなのに……」
その誓いの結果が『排除』か?
姉の強権、怖ぇな。
「えっと…………クソムシさん、でしたっけ?」
「あ、いえ……フィルマン、です」
「あぁ、フナムシさん」
虫から離れて!
そして、フィルマン。姉と知って頑張ったな。ちゃんと会話が成立している。……成立している、か?
「あなたは、リベカのことが好きなのですか?」
ド直球の質問だ。
けどまぁ、フィルマンだからな。これくらい直球でないと好きか嫌いも有耶無耶にしてしまいかねない。
ある意味いいパスだ。はっきり言っちまえ。
「…………リベカさんは、世界です」
有耶無耶ー!
何が言いたいのか、まるで分からん!
「きゅんっ!」
ときめいちゃってるよ、あの九歳女児!?
「えっと……意味が、分からないのですが?」
正論だな、姉!
俺も同じ意見だよ。
「す…………好きっ…………です」
「もにゅんっ!?」
蹲ったリベカがまるで大玉転がしの玉のように転がっていった!
連続後ろでんぐり返りだ!?
そして、バーサがそっと回転を止めた!
「…………」
「…………」
そして、睨み合うソフィーとフィルマン。
「……どこが?」
おぉう、ソフィー。その質問、すげぇ答えにくいんだぞ。
「全部」って言葉を濁すと空々しいし、かといって一個ずつ挙げていくのも煩わしいし――聞いてる方がな。
「語っていいんですか!?」
けれど、フィルマンという男はそんな面倒くさい質問に、瞳をきらきらさせ急に勢いづいた。
あぁ、いるよなぁ。自分の好きな物の話を語りたがるヤツ。こっちに興味があろうがなかろうがお構いなしに語りまくる厄介な生き物。
フィルマンは、それだ。
「まず歩き方なんですが、これは大きく六十四個のカテゴリーに分けて説明……」
「ストップだ、フィルマン!」
歩き方だけで六十四もあるのかよ……しかもカテゴリーって。そのカテゴリーの中で何項目に分かれているのか想像もしたくない。
一日二日じゃ終わらねぇぞ、これ。
そこまで時間を使うわけにはいかない。庭にはドニスもいるのだ。手短に終わらせたい。
「そうですね。まずは声としゃべり方の素晴らしさから説明するべきでした。そちらの方がすんなり世界観に入っていけると思いますし。声のカテゴリーは七十七個ありまして……」
「ストップ・ザ・フィルマン!」
そうじゃない。
そうじゃないんだ、フィルマン。
それ以上くだらないことをしゃべると、口を塞いじゃうぞ――まつり縫いで。
「ソフィーの気持ちも分かるが、今はリベカと話をさせてやってくれ」
「ですが……リベカはまだ子供ですし……」
「わ、わしはっ!」
バーサに介抱されていたリベカがすっくと立ち上がる。
顔が、見たこともないくらいに真っ赤に染まっている。気力で立っているという感じだ。
「わしは、もう大人なのじゃ! お姉ちゃんにも会えた、大人なのじゃ!」
ソフィーが工場を離れる際、「大人になったらまた会える」とリベカに言っていた。
そのため、リベカは必死に大人になろうと努力していた。人一倍、子供扱いされることを嫌って。大人ぶっていた。
だからこそ、今この場で子供扱いをされるのは不本意なのだろう。
大人になろうと努力し続けた少女は、年齢以上に大人であるという自尊心が大きくなっている。
それ故に、恋だって自分で決めたいのだ。大人だから。
「わしは、自分で決めるのじゃ!」
言い切って、フィルマンを見つめる。
目が合うと、そそっとバーサの陰に隠れる。……おぉ、子供がいるぞ、あそこに。
「分かりました。では、私はリベカの決定を尊重します……でももし、リベカが悲しむようなことがあれば…………容赦はしません。私には、リベカの笑顔を守る義務があるからです」
あくまで姉として、妹の思いを尊重するとソフィーは断言する。
これまで出来なかった姉としての務めを全うするつもりなのだろう。
「それから……私からリベカを奪うような行為にも容赦しません。卑猥な目で見たら断罪します。指一本でも触れれば口では言えないような制裁を科したいと思っています」
「それ姉の領分越えてるから!」
言外の圧力をこれでもかと掛けまくるソフィーを、リベカから強制的に引き離す。
マグダとロレッタの間に置いて、隔離しておく。
いいか二人とも、きちんと見張っておくように。
「最後に、最後にこれだけは聞かせてください!」
マグダとロレッタに体を拘束されながらも、ソフィーは身を乗り出して訴えかける。
「リベカの、どこが一番好きですか!?」
必死な芸能レポーターか……
そんな問いに、フィルマンは絶対的な自信を持って答えを返す。
「顔です!」
……うん。割と最低な返答じゃないかな、それ。
いや、正直なんだろうけど……顔って。
「にゃふんっ!」
リベカ、再爆発。
あ、ときめくんだ、それで。
「納得です」
納得しちゃうんだ!?
「超可愛いですものね、リベカ!」
「はい! 超可愛いです!」
「みゅふぅ~……」
アホ姉とアホ彼氏(候補)は意見が合うようだ。
間に挟まれたリベカも……まぁ、嬉しそうだしいいか。
「あたし、告白の時に『顔が好みです』って言われたら、ちょっと嫌です……」
「……けれど、顔から好きになるケースは多い」
「仲良くなって、気が付くとその方のお顔が誰よりもステキに見えるというケースもあるようですよ。パウラさんがおっしゃってました」
陽だまり亭女子が三人でわきゃわきゃ話し合っている。
……パウラ、不細工に惚れたことでもあるのかな。まぁ、あのタイプは恋に恋しちゃう系だしな。あり得る。
確かに、「顔が好み」ってところから仲良くなっていくケースは多いんだが……あぁ、そうか。フィルマンはその「仲良くなっていく」って期間が一切ないから「顔が好み」ってところで立ち止まってるのか。納得。
けどまぁ、勢いとはいえ、「リベカが好きだ」「顔が好みだ」みたいなことが言えたんだ。あとはそれを本人に伝えて、OKをもらえば、晴れて恋人同士ってわけだな。
「じゃあ、本人に直接言ってこい」
「はい。行ってきますっ」
腹が決まったのか、度胸がついたのか、フィルマンは落ち着いた声で力強く言い放つ。
俺は安心してその背中を見送った。
あとは、ドニスをつり上げる算段を考えれば……
「リベカひゃん!」
噛んだな、盛大に!?
「あのっ、あの、あ、あ、あ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ……」
壊れた!?
フリーズしてるぞ、あいつ!?
「は、恥ずかしいっ!」
え、なに、自分を客観的に見て? あぁ、そうだね、恥ずかしいね。
「……好きの一言も言えない男に、価値などあるのでしょうか?」
モーニングスターを握りしめてソフィーの影が揺れる。
マグダ、全力で止めといて!
と、マグダを見ると……なんか、俺のことをじぃ~っと見つめていた。ロレッタも、ジネットまでも。
んだよ。
何が言いたいんだよ、お前ら。
「覚悟をお決めなさい!」
拳を握り、ソフィーが厳しい声でフィルマンを叱咤する。
そして、不安の滲む瞳でこんな言葉を追加した。
「――そうすれば、私も出来うる限りの協力を、惜しみません」
ソフィーは、リベカが一番喜ぶであろう未来を選んだ。
少しの不安と寂しさと、強い責任感と、多大なる愛情を持って。
「私、彼氏などいたことがありませんので、相談とか一切乗れないでしょうけれど!」
うん、その告白は要らなかったんじゃないかな。
「分からないところは、バーサに聞いて対処します!」
「このバーサめも、彼氏などいたことがございません!」
バーサも、余計な告白しなくていいから!
そして、その後に意味深なウィンクを俺に飛ばしてこなくていいから!
「「……爆発すればいいのに」」
ソフィーとバーサの声が重なる。
応援したいのか邪魔したいのか、どっちだお前ら!?
「フィルマンさん」
胸の前で手を組み、ジネットがベルティーナを彷彿とさせる微笑みを湛えてフィルマンに声をかける。
シスターであるはずのソフィーより、よっぽどシスターっぽい神聖な雰囲気で。
「恥ずかしい気持ちはお察しします。わたしも、恥ずかしくて言葉が出ないことはよくありますから」
照れ笑いを浮かべて、おどけてみせるジネット。
フィルマンの緊張を和らげようとしているようだが……ジネットにも、そんなことがあるんだな……なんて感想を抱いてしまった。
「でも、勇気を出すべき時はあると思います。この先のあなたの人生のために。そして、大切な方の幸せのために」
ジネットにしては珍しく、他人の行動を後押しするような積極性が垣間見える。
ジネット自身がそうしてほしい、そうするべきだと思っていると、はっきりと分かる。
ただ他人の恋バナにテンションが上がって無責任に煽り立てる……そんなことはしないだろうから、何か理由があるはずだ。
フィルマンの行動を促す理由が……それは…………
「分かっていても、言葉にしてもらわないと不安になる――そんな時があるんですよ、女の子には」
そう言って、そっと前方を指し示す。
その先には、顔を真っ赤に染め、瞳に涙をいっぱい溜めたリベカが立っていた。
空気を読めば答えは分かる。それが自分の望むものだと分かりきっている。
けれど、あと一歩のところで不安が拭いきれない。
リベカの涙腺は、決壊寸前までに膨れ上がっている。
涙をこぼす理由が、不安か歓喜か、そこには天と地ほどの差がある。
ジネットは、あの幼い、精一杯背伸びをした少女を救ってやりたかったのか。
「彼女を救えるのは、フィルマンさん。あなただけだと思いますよ」
言い切って、「すみません、出過ぎた真似を」と頭を下げる。
けれど、ジネットの顔に後悔の色はなかった。
いや、立派な説教だったよ。いつでもシスターになれそうだ。ならないだろうけど。
ジネットの言葉を受け、フィルマンの表情が変わる。
俺が無理矢理背中を突き飛ばしたり、ソフィーが脅迫まがいに迫ったりしても、フィルマンの心には届かなかった。
けれど、ジネットの言葉はすんなりと届いたようだ。
いや、リベカの涙が、フィルマンの心に響いたのかもしれない。
「リベカさん」
背筋を伸ばし、毅然とした態度で、フィルマンはリベカの前に立つ。
「ずっとあなたを見つめていました。あなただけを、見つめていました」
「ひゃぃ………………はい」
リベカも、舞い上がった気持ちを落ち着け、真剣にフィルマンの声に耳を傾ける。
「あなたが、リベカさんが好きです。僕と、結婚してください」
「………………はい。……よろこんで、なのじゃ」
瞬間、歓声が上がる。
陽だまり亭女子とバーサが歓喜の声を上げる。
恥ずかしそうに見つめ合うリベカとフィルマン。だが、その表情からは不安の色が消え、安堵と幸福感がほころぶ笑みを彩っていた。
誕生したばかりの新しいカップルのなんと初々しいことか……けっ。なんで俺がこんな場に立ち会わなけりゃいけないんだか……
「リベカッ!」
歓声を上げるマグダとロレッタの隙を突いて、ソフィーがリベカに駆け寄り、抱きついた。
抱きついて、ずるずると腰を落とし、地べたに座り込んで……
「おめでとぉぉおおぅうおおおおっ!」
号泣し始めた。
リベカにしがみついて泣きじゃくるソフィー。
まぁな。リベカのあの顔を見りゃ、反対なんか出来ないよな。あんな、幸せの絶頂みたいな素直な笑顔を見ればな。
「やったな、フィルマン」
「痛っ!? ……痛いですよ、ヤシロさん」
頑張ったフィルマンの肩を、全力で殴り飛ばす。
これくらい甘んじて受けておけ。でないと、反動で物凄く不幸な目に遭いかねないぞ。人生の幸不幸は均等なのだ。人生楽あれば苦もある。リアルが充実すれば爆発する。そういうものなのだ。
「皆様」
にわかに騒がしくなった礼拝堂の中に、バーサの声が響く。
静かながら耳によく届き、意識を引きつけられるような声に、俺たちは全員黙ってバーサを見た。
そんな俺たちの見守る中、バーサが床にヒザを突き、手を突いて頭を下げた。
「今見たことを、『精霊の審判』にかけないとお約束願います」
それは意外な行動だった。
そもそも、『精霊の審判』は当事者間でしか効力を発揮しない。
なので、仮にこの二人に何かあって結婚がご破算になったとしても、俺たちにはそれを『精霊の審判』にかけることは出来ない。
にもかかわらず、バーサはここで、あえて言葉にさせようとしている。
それはなぜだ。
「親心というものですよ」
戸惑いが顔に出ていたのか、ジネットが俺に説明をくれた。
「どんな些細なことでも、可愛い我が子の進む道に障害がないようにと、こうして幾重にも保険をかける……それは、我が子を愛するが故の至って普通の感情なんです」
「そんなもんなのか」
「はい。シスターが昔、そんなことを言っていましたから」
それが親心というものらしい。
「それに……」
と、ジネットが体を寄せ、耳打ちをしてくる。
「そうやって愛情を見せることで、相手への牽制にもなるそうです。『これだけの人を巻き込んだのだから、簡単に破棄などせぬように』と」
なるほど。
確かに、こんな場面を見せられちゃ、「やっぱ結婚すんのや~めた」とは、言いにくいよな。バーサは土下座までして、俺や、無関係のジネットたちまで巻き込んだのだから。
これで婚約を反故にしたら……あとで何をされるか分かったものじゃない。特に、俺辺りに。
「分かった。この件に関して、俺は『精霊の審判』を使わない」
「わたしも、使いません」
「……同じく」
「以下同文です!」
陽だまり亭一同は全員異論もなく同意した。
……って、明言しなくてもいいのかよ。
「私も、異論はありません。二人を信じます」
ソフィーも泣き腫らした目ではっきりと言う。
結構重たいものを背負わされたな、フィルマン。
「ありがとうございます、皆様」
立ち上がり、バーサがもう一度頭を下げる。
と、同時に、フィルマンがガックリと床にくずおれる。
「ふぁぁあ……………………き、緊張……しました……」
精も根も尽き果てたような顔をしている。
まぁ、しょうがないか。
『遠くから見つめる』の次のステップが『プロポーズ』って、順番デタラメ過ぎるしな。
本当に、ゆっくり話すのが付き合った後になっちまったな。
というか、今現在、こいつらまともな会話してなくないか?
天気がどうとか、好きな食べ物がこうとか、そういった普通の話を。
そもそも、趣味が合うかも分からないのにただ『好き』ってだけでよくそこまで突っ走れたものだ。『精霊の審判』があるこの街で。結婚の約束だって、反故にすればカエルにされかねないってのに……若さ、かねぇ。
その無茶っぷりに、とうの二人が気付いていないんだから……前途多難だな、こりゃ。
けどまぁ、そんなもんは百も承知で。こっから先が難題なんだよな。
本人同士の意思は確認した。
そうなった場合に立ちはだかる問題は、大きく二つ。
麹工場の後継者問題と、ドニスの古い価値観――亜人に対する意識の問題だ。
どちらの問題も、一応布石は打ってあるが……
ドニスの口から『亜人』なんて言葉が出てきたら、一瞬で破談にだってなりかねない。
古い人間なら、貴族に嫁いだアゲハチョウ人族の悲劇を知っているかもしれないし。
貴族と亜人の結婚には、敏感かもしれない。――マーゥルの手紙が、どれだけ効果を発揮するのか……賭けだな。まぁ、勝算はあるけどな。
その前に、だ。
こっちはこっちでやらなきゃいけないことがある。
「おめでたいお話に水を差すようで申し訳ありませんが、いくつかお話をさせていただいてよろしいでしょうか」
口火を切ったのはバーサだった。
麹工場がリベカの結婚に伴って直面する問題。そいつを解決、ないし、被る被害を最小限に抑える方策を提示しなければいけない。
ちょうどアイテムは入手した。
ポエマーフィルマンがアホなポエムを書こうとしていたノートとペン。
それを構えて、俺は麹工場の連中と相対する。
今回の件。お前にしちゃよく頑張った方だよ、フィルマン。
こっから先は、俺の領分だ。
上手く操ってやるから、上手に踊るんだぞ。
そうして、礼拝堂での第二回戦が静かに幕を開けた。
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