ニニナ
「新手か? 返り討ちにしてやる!」
僕はM4カービンのセレクターをセミオートにして伏せた。ゴールドマン教授にはブラックジャガーであるキャプテンの翼に守られつつ、ご退場願おう。
やがてアマゾネスの戦闘員と思しき集団が現れた。が、何だか異形のチームだ。戦闘服がボンデージ風というか黒い革ジャンと革パンツ率が異常に高い。帽子についてもそうで、仮面を付けている奴までいる。
露出度の高い黒革集団は、およそ現代戦の常識から逸脱した妙に目立つ部隊であった。だが武器は一流の物を使っているようで H&K G36らしきものを装備している。
「何だ? あの戦場に不似合いな黒いお姉さん達は……」
僕より勘が鋭いカクさんは、すぐに判別できた。匂いで奴らが女性ではない事を。
「オカダ君、だまされるな。あいつらは本物の女じゃないぜ」
「どういうことだ?」
先頭を切って侵攻してくる顔には見覚えがあった。思わず立ち上がってしまう。
「う、嘘だろ……」
艶なしのライダースジャケットに黒短パン、サポーターをゴテゴテと付けた色白黒髪美人戦闘員。
「探したわよ~、アツシ。あの時以来ね!」
同じような出で立ちだが、こちらは茶髪でテカテカの艶あり素材を身に纏っている。
「あら~、昨日の友は今日の敵ね。本当に残念だわ」
二人は僕の知っているコンビに間違いなかった。
A級奴隷のマコトとヒロミである。動揺して銃の照準を外してしまった。
「マコト! それにヒロミ、まさか君らはデュアン
「当たり前よ~。革命反対!」
「反体制派には死を!」
容赦なく銃を連射してきた。本気で僕の命を狙っているのか。カクさんに引っ張られるまで、現実が飲み込めなかった。
「目を覚ませ! オカダ君。ここまで来て死にたいのか、残された者達はどうするんだ!」
僕はふらふらと躓きながら、逃げるように建物の陰まで後退したのだ。
「マコト、ヒロミ、いつものように冗談だと言ってくれ……」
背中に負った傷が心臓の鼓動に合わせて、急に痛み始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます