トーラ
ゴールドマン教授は鼻息も荒く、いつになく興奮気味だった。以前、温泉で会った記憶があるB級奴隷の野郎どもに担がれて意気揚々としているが、何となく危なっかしいな。
「オカダ査察官! ついに決断したか。やっと動いてくれたか。嬉しいぞ! 今日は記念日となるだろう」
「ゴールドマン教授! 一体どこから現れたのですか?」
「警察からとっくに情報は得ておるわ。そんな事よりデュアンを、デュアン総督を押さえろ。総督府の地下はシェルター状になっているので、そこに側近と逃げ込んだはずだ」
出力をMAXにすれば
「オカダ査察官、ずいぶんと派手にやってくれたな。遠くからでも総督府の崩壊は見物だったぞ。これからが大変になりそうだがな……」
「始まったモノはしょうがない、とことん行くぜ! もう後戻りはできないしな!」
「当然だ。ここまでくるのに私がどれほどの労力と時間を使ったのか、君には想像もできまい! 嬉しさと興奮で両手の震えが止まらんわい」
「これからどのようにコマを進める? 篭城中のデュアン様を天の岩戸から引っ張り出すのかい?」
「革命にはスピード感が肝要だ。短期決戦以外は考えない方がいい。長引くとロクな事がないし、ケプラー22bの開拓移民……つまりは、この惑星の全人類が疲弊してしまうだろう」
「それなら手始めに、この広場の大混乱を鎮静化しなくちゃな」
僕はスタリオンの屋根から婦警のアディーとチトマスが窮地に陥っているのを確認したのだ。彼女等はB級奴隷達から国家権力の手先と見なされているのだろう。
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