ブルナ

「デュアン様の奴隷になれと?! この俺が! いいね……光栄な事じゃないか」


「もし私のお気に入りになれたなら、お伽衆として毎晩広くて綺麗なベッドルームに入ってもよいぞ」


「おお、そいつはすごいなぁ」


 そこまで言うと大きな咳払いが聞こえた。

 シュレムだ。こっちを睨みつつ、ふくれっ面で腕組みをしている。まあ、そうだろうな……無理もない。

 マリオットちゃんとブリュッケちゃんも、あきれ顔でキャミソールを風に揺らしている……ごめんごめん。

 

 僕はゆっくりと三人に近付いていった。大勢の婦人警官隊が止めに入る。よく見るとアディーやチトマスも混じっているのだろうか。制帽を深く被った制服組の中に紛れると、誰が誰だか全く区別はつかないものだ。

 彼女ら三人には、お互い腰にヒモが括りつけられていて、逃げられないようにしていた。


「シュレム達と話がしたい。犯罪者でもないのに腰ヒモぐらい外してやれよ」


「何のために? それはできない相談だな」


 デュアン総督は、僕の不審な動きに警戒を始めたようだ。

 その時、市内にいる野次馬の男達がB級奴隷としての労働を投げ出して、我先に総督府に集結してきた。よく見ると普通の女性市民も混じっている。

 デュアンの私兵であるアマゾネスがたまらず、足軽と呼ばれる奴隷戦闘員を前に出す。前にも見た事があったが、足軽は装甲殻類カルキノスの殻を上手く利用して鎧兜……要するにヘルメットと防具を各々装備していた。


「女達は各自の職場に戻れ。男達は邪魔すると容赦なく発砲する」

 

 足軽は暴徒鎮圧用のライアットガンを構え、放水車まで用意してきた。

 本来男は銃器類の所持が禁止されているので、持っているショットガンには非致死性のゴム弾が装填されているのであろう。

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