アステローペ
パーティー会場の巨大モニターにサバクオニヤドカリ狩りの映像が流される。ナノテク・コンタクト遠隔操作型無人戦闘攻撃機こと電神ヴィマナが荒野の霞んだ空を飛び回り、空対地ミサイルやレールガンで次々と
……圧倒的な迫力の映像は、最高の余興となり会場のアマゾネス達を大いに湧かせた。
「これは約束とは違う。ズルをして無人機を使ったな……地球の男はとんでもない嘘つきだ! 総督を騙して侮辱した罪は重い。この植民惑星で奴隷として死ぬまで働いてもらうぞ」
デュアン総督が側近の女性に命令すると、間髪をいれずアマゾネスの近衛兵が一気に会場になだれ込んできた。例の黒ジャケットに白ライン入りのズボンをはいたメスゴリラな奴らだ。会場はパニックとなり、悲鳴と怒号が飛び交う騒然とした状態に叩き込まれる。
多勢に無勢……僕は抵抗する間もなく警棒で袋叩きにされ、そのまま血まみれで床に転がった。以前にも、これと似たような状況に出くわしたな……。
意識が遠のいてきたが、誰かが近寄ってくる。孤立無援の僕を助けに来てくれたのか?
デュアン様ではなさそう――だ……。
シュレムとマリオット姉妹は、ブリュッケちゃんを伴って現在はオーミヒコネ市だろう。
婦警のアディーか、遠目に見かけたオーミモリヤマ市長のミューラーの可能性が高い。
意外とドサクサに紛れて潜入したスケさんだったりして……そういえばランドルト姉という線もあるな。
……どの予想も違ったようだ。革靴の音が床に這いつくばる僕の前まで来て止まる。顔を上げて確認すると、スーツを着た長老風情の無表情な白髪男だった。
ああ、以前会った事がある……見覚えがある。そうだ、元地球人にしてS級奴隷……現在は奴隷長の役割を果たしたり、オーミ姉妹社の代表など様々な顔を持つ男、ゴールドマン教授その人だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます