オケアナ
次の日の朝、オーミ姉妹社のバイオニクス研究所の仮眠室で目が覚めた。隣にはカクさん、その向こうには全裸のスケさんが、うつ伏せでスヤスヤと眠っている。
何?! 全裸? 何もまとわずに……。朝から頭に血が昇ったが、かろうじて頭を冷やし、昨日の夜の顛末を思い出そうとするのだ。確か僕とスケさんとカクさんとで寝る事になったんだっけ……。
「あ~! もう寝られない! この服が窮屈なのよ」
スケさんは柔らかい体を捻ると、セーラー服サイドのファスナーを爪で何とか下ろし、スカーフも口で引っ張って結び目を解いた。
「スカートも何かイヤ!」
同じように慣れない手つきで横のホックを外し、ファスナーも下ろすと、スポッとスカートを足元に落とした。そのまま後ずさりしながら転がるようにして、うまく上着も脱いだ。そう、真っ白なブラとショーツ姿になった彼女は、嬉しそうに毛布の上に飛び乗るとゴロゴロした。
「まだまだ、このブラジャーが胸を締め付けて、何だか苦しいの!」
カクさんの鼻先に、スケさんは色白でツルツルの背中を突き出した。
「背中のホックを外して!」
「……はい」
カクさんは妙に慣れた感じで、ブラホックを口だけで外す。すると豊かで形のよい胸が解放され……それは音を発するようにプルルンと揺れて弾んだ。
とんでもない光景を目撃した僕は、困ったような口調で言った。
「おい、まさか……」
「そのまさかよ」
スケさんは、最後のショーツもカクさんに引っ張らせてスッポリと脱いだのだった。カクさんの表情は微妙で、どちらかと言うと娘のオムツを交換する新米パパのごときであった。
「やった! やっぱり自然でなくちゃ! 何も身に着けない状態じゃないと眠れないのよ。人間って本当にすごいわ。よく服なんか四六時中、着ていられるわね。不快な拘束着なのに」
「姉御……何だかキャラが……性格が変わってますよ。若返ってる!」
「もう好きにしてくれよ、ていうか早く寝てくれ」
カクさんと僕のコメントにスケさんはポカッと自分の頭を小突いた。
「もちろん外出する時は、我慢して服を着るからさ。夜はこれでお願い!」
「君は今、ジャガーじゃなくて女子高生なんだから気を付けてな」
……昨晩は確かこのような、やり取りだったような。
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