リラエア

 カクさんは、僕にA級奴隷の知り合いが二人もいる事に首を傾げていた。前に話した事があったのに。


「そうか、病院の地下に捕まっていた時に出会ったのか……ひょっとして、オカダ君はそっちの方に趣味があるのかもしれないね」


「違う! 俺はバリバリの女好きだ! ……どこかに巨乳グラビア写真集でも落ちていないかな?」


「超エロ男のドスケベ宣言か……それはそれで問題があるような」


「カクさん、君に言われたくはないな」


 人語を話すアニマロイドを見てもマコトとヒロミは動じなかった。銃撃戦の中でも平然としていたので、この人達は落ち付き払っているというよりは、色々と超越した人種なのかも知れない。


「ウフフ、しゃべるオオカミなの? カワイイわねぇ、マコト!」


 ヒロミに撫で回されて、カクさんは複雑な表情だ。屈んだマコトのふわっとしたスカートの中身が丸見えになった時も彼は、ついつい反射的に見てしまった。本能と理性の狭間で揺れ動き、まるで修行僧のように苦悩している。


「ところで、マコトとヒロミ、君達は何でここにいるんだ?」


「それはあなた、こっちの台詞よー。銃なんか背負っちゃて、戦争にでも行く気なの?」


 茶髪のヒロミの方が素っ頓狂な声を声を上げた。


「割のいいバイトがあるってんで、わざわざオーミモリヤマ市からここまで来たんだけど……地下室で一日中作業を朝から晩までって……気が狂いそうになったから辞めたのよ。ね、マコト」


「ええ……パークス商会の名前を聞いた時から、イヤな予感はしてたんだけど……種苗会社で終日C級奴隷相手ってのは、こっちも疲れるわ~」


「かわいそう過ぎるよねェ」


 パークス商会……大手の種苗会社……話をまとめて推測するにC級奴隷ってのは、いわゆる乳牛みたいなモンだな。地下室に繋がれ、エサを与えられて“白い血”を死ぬまで毎日ひたすら搾り取られるだけの生活……正に生き地獄だ。

 もはやこれは合法でも人類の尊厳を無視した犯罪認定だな。

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