イノ
スケさんとカクさんがサバクオニヤドカリを牽制している間、シュレムはマリオットちゃんとブリュッケちゃんを安全な場所まで避難させた。
「オカダ君! 妹達を車に!」
「ナイスアシスト!」
僕は両眼にはめているナノテク・コンタクトを通じて、停車中のスタリオンを遠隔操作した。搭載されている40mmマルチグレネードランチャーから、グレネードの残弾をオアシスに向けて仰角で撃ち出す。
だが、妙な刺激を与えてしまったのだろうか……周囲から一頭、また一頭と大小ヤドカリの数が次第に増えてきた。手間取っていたら、たちまち数頭に囲まれてしまうだろう。
「まずい、もはや相手にできる数じゃない……」
フルオートで動くスタリオンが踏みつぶされる前に撤退しなくては。スケさんとカクさんにアマゾネス達の護衛を頼んだ。
「あなた達、スタリオンまで走って! ブリュッケちゃんは私の背中に乗って!」
「ありがとう、スケさん」
パンツ丸出しとなったブリュッケちゃんは、スケさんの首に腕を回し両脚でボディを挟んで馬乗りとなった。スケさんは彼女を背に乗せたまま、荒れた砂漠をものともせず力強く疾走した。
「マリオットちゃんもオイラの背中に、さあさあ!」
「ひ~ん! カクさん、私重いよ~」
「遠慮するなって……ぐへぇ!」
マリオットちゃんがカクさんの背に飛び乗った瞬間……馬が耐えきれず、ガクッとパンクしたように地に伏した。
「きゃあ! もうちょっとがんばってよ」
「あの、もう少し手加減して乗ってもらえませんか? 優しくね」
カクさんはキャミソール姿のマリオットちゃんを乗せて、何とかスタリオンまで走った。
シュレムとアディーは、ふらふらになりながらも自力で車内に転がり込んだ。息が切れて汗まみれになっている。それにマリオットちゃんとブリュッケちゃんも無事に乗車できたようだ。良かった、これで当面は安心と言えるかな。
残った僕は派手に動きながら、単独でサバクオニヤドカリの注意を引いた。
お手柄のスケ・カクコンビに
『オカダ君、コンタクト・ドライブシステムでインディペンデンス号とリンクして』
『よし、スケさん……久々にトール・サンダーをぶちかまそう!』
『それが準備に数分かかりそうなの』
『ひえ~! その間に食われちまうよ』
対カルキノス用に使えるかどうか分からないが、例の火力が欲しい。
『湖賊から奪った、
大物を入手するまで、手持ちの武器はAK-47自動小銃と日本刀しかない。前向きに考えよう、これでもないよりはましだ。
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