ジョアンナ
「ドリンクバーに行こうよ!」
マリオットちゃんは、ブリュッケちゃんを連れてコーナーまで行った。
「信じられない! こんなにも多くの種類のジュースが飲み放題だなんて……すごすぎる!」
ブリュッケちゃんはショックで目まいを起こしそうだった。
「ははは……そんな大げさな」
その後、テーブルまで運ばれてきたハンバーグには、正直がっかりした。カニとエビと豚鶏ミンチから作ったもので、はっきり言って“つくね”だった。
「我が家では誕生日ぐらいにしか牛肉は出てこないわよ」
シュレムの言葉に冷や汗が出た。もし焼肉にしていた場合、一体いくら払わねばならなかったのだろう……ゾッとする。
「とっても美味しいですよ」
それでもブリュッケちゃんは、ホッぺを押さえて満面の笑みを浮かべたのだ。
食べながら
「今が繁殖期じゃないのか?」
「それ以上の事は、あまり父から聞いておりません」
ブリュッケちゃんは正直に、誇張する事もなく話してくれた。
「まあ、小学生の娘に話をして伝える情報なんて、大した物でもないと思う。
そうシュレムは言うが……僕は思う。
「それでも、全くないよりはましだろ?」
マリオットちゃんとブリュッケちゃんは、大きな声でごちそうさまと言ったのだ。
会計を済ませてファミレスを出ると、何と目の前にスーパー銭湯があるのに気付いた。
「あ~、お風呂発見」
「ちょうどいいわ。入っていきましょう、アディー!」
シュレムとアディーは、手を取り合って入場するつもりだ。
「シュレムさん? 大浴場付きのホテルに泊まる予定だけど……」
「別に今入ってもいいじゃない。オカダ君は今晩泊まるホテルを探して、チェックインしておいてね」
「……ブリュッケちゃんも入ろうよ!」
マリオットちゃんの誘いには断れないはずだ。
「ええ!? いや、まあ……」
結局、シュレムとアディーとマリオットちゃん、それにブリュッケちゃんまでもスーパー銭湯で、ひとっ風呂浴びてくるそうだ。4人の背中を見送った後、とぼとぼとスタリオン高機動車まで戻ってきた。
「スケさんとカクさんは、どこまで行ったのやら」
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