第24章 女子寮に全員集合
ペンテシレイア
第二十四章 女子寮に全員集合
その時、玄関ドアの鍵が開く音がした。家族向け女子寮の世帯主が買い物から帰ってきたのだ。
「わっ! なあに、この靴の数は?! 一体今リビングに何人いるっていうのよ」
「お~い、オカダさんはもう来てる? 荷物を運ぶの手伝ってよ」
ブリュッケちゃんの声もした。カクさんが玄関までお迎えに行く。
「お帰りなさい。勝手に冷蔵庫を開けてジュースを飲んだり、カルキノス印のバウムクーヘンを食べたりしているよ」
「きゃあああ! カクさん、土足で私の部屋まで上がりこんだの?! いやだあ、この寮はペット禁止なのに!」
「お久しぶり、と言いたかったのに酷い言われようだな。俺の場合、年がら年中土足なのは当たり前じゃないか。それにペットと一緒くたにしないでくれよ」
スケさんもマリオットちゃんと一緒に玄関まで来た。
「お邪魔してます。元気にしてた?」
「あら、誰かと思ったらスケさんじゃない。相変わらず可愛いわね。マリオットの服を着てみたの?」
靴を脱ぐシュレムの買い物袋をマリオットちゃんがキッチンまで持っていく。袖なしパーカーとショートパンツ姿のブリュッケちゃんが皆の待つ部屋まで駆けこんだ。
「ブリュッケちゃん! 今日はボーイッシュな格好ね」
アディーがそう言うと隣に座っていた婦警姿のチトマスが立ちあがって挨拶をする。
「は、初めまして。自分はオーミモリヤマ警察署に勤務するチトマス巡査です。今日はなぜだかお邪魔しております」
「は、はあ……初めまして」
ブリュッケちゃんは困惑している様子だ。シュレムは部屋にいる人が多すぎて、あたふたした感じになっている。
「うわあ……狭い部屋ですみませんね。一人、二人、三人……総勢七人といったところかしら。パーティーの食材足りるかな。う~ん、ピザをもう一枚追加した方がよかったわ」
「オイラが頭数に入ってないぜ」
カクさんがミニスカートをはいたシュレムの太ももにスリスリした。少しぞわぞわしたようだが、今日のシュレムは上機嫌そのもの。
「あら、ごめん。ドッグフード買ってくるのを、すっかり忘れちゃった」
「……残り物でいいですから、それは勘弁して下さい」
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